第4章、深淵を照らす雷光
第38話、崩壊の序曲
俺を率いる部隊はそれから迫りくる敵部隊を翻弄しながら確実に戦力を失わせてそしてできる事ならばを兵糧なども奪い取り必死に抵抗を見せていたが相手は桁違いの戦力という事で足止め程度にしかならずにいた。
風の噂ではこの情報を掴んだ人間たちが連合軍を結成して一気に魔王城の近くまで侵攻したららしいがギリワン・ボルケーノによって返り討ちにあってしまい殆どの人間は殺されてしまい逆に今度はギリワン・ボルケーノが迫りきていた軍の半分を人間の勢力に侵攻を始めたと言うのだ。
しかも、連戦連勝と恐ろしい勢いで人間たちが窮地に追い込まれているのだ。もちろん、勇者または転生者たちがチートか能力を貰ってギリワン・ボルケーノに戦いを挑んだらしいけど全てが皆殺しにされてしまった。
だけどこれに対して異世界の神が怒ったと言うのだ。その上に、その神の名前は俺にとって聞き覚えがある名前なのである。
天照大御神という名前、これって明らかに日本の神様ですよね、太陽神ですよねと思いながら聞いていたけどそのおかげでギリワン・ボルケーノと日本の神々との勢力が激突するのも時間の問題だなと感じた。
それはそれで敵の戦力が削れるのでこちらからしたらかなり助かる話だけど正直に言ってどちらが勝ってもかなり厄介なことには変わりはないので一番個人的に助かるのは共倒れ担ってくれると助かるだけどなと考えながら次の作戦を考えていた。
その時に新しい情報を俺の親父だと言われている松永紅龍の旧臣の残っていた二人のうちの一人とついこの前に合流して一緒に行動をしていた。
その者はシビラと言って水色のロングヘアーに頭には金の輪っかが見えており正真正銘の天使であり、他の者たちに遅れながらも到着する事ができたと言うのだ。
ついでに最後の一人は他の場所でギリワン・ボルケーノの軍勢と戦っているので合流するのは難しいと言われている。
いやいや、ギリワン・ボルケーノの軍勢と戦ってくれているのであれば全然問題はないからと思っていた。
しかし、シビラが持ってきた情報によりそうもできない状況になりつつあったのだ。やはり、先程に考えていた通りにギリワン・ボルケーノと天照大御神が率いる軍勢が正面から激突したらしいが天照大御神が敗北をして主な神はみな討ち死にしてしまったと言うのだ。
無論、ギリワン・ボルケーノ側も相当な被害を出したみたいだけど主な将は皆が無事に生き延びてしまったらしい。
しかし、兵力は十万ほどあったのが一万まで減ってしまったのでギリワン・ボルケーノも相当な被害を出した。
これはまさしく天が与えてくれた好機だけど気になる事もあるのだ。
それはリーフのおっさんが何一つに返事を寄越さないのでもしかして何かあったのかと俺は気になってしまっていたがリーフのおっさんを知っているシビラはそう簡単に死ぬようなドラゴンではありませんから心配はせずに待ちましょうと言ってはいたけどシビラも少しばかり不安の表情になっていた。
それも無理もない連絡とか怠らないリーフのおっさんが連絡してこないのはとても嫌な予感をしてしまっても仕方がないな。
本当に無事であるのかと思いながら先程に手に入れた情報を元に作戦を決めようとした時に外から聞き覚えがある声が聞こえてきたのである。
それはリーフのおっさんと共に行動をしていたココちゃんであったのでようやく連絡を寄越して遅かったじゃないかと思いながらココちゃんとメロに会ってみると信じられない事になっていた。
二人とも服がぼろぼろになっている上に体中に傷があり完全に何かあったと感じ取りすぐに二人に尋ねてみたのである。
「何かあったことはそれを見ればわかるから詳しい内容を伝えろ、リーフのおっさんは他の旧臣たちはどうなった!」
俺は必死に何が起きたかを知ろうとした、けれども知らないほうが良かった事実を告げられた。
「リーフさんが・・・皆が・・・殺されました!私達は・・・何とかして逃げ延びてきました。本当に申し訳ありません」
そう言ってココちゃんとメロは泣きながら俺に報告をしてきたのである。俺はとても信じられないと言ったが実際にリーフのおっさんがこの場にいないことにココちゃんやメロがこれ程にぼろぼろになっているのが何よりの証拠だった。
それを隣で聞いていたシビラはそんなと言ってその場で静かに泣き崩れた。シビラは過去の話を聞いていたがリーフのおっさんとはかなり長い付き合いをしていたこともあり俺よりもかなり悲しんでいた。
そんなに長い付き合いではない俺でもあのリーフのおっさんが性格が良い人なのは理解できていたので余計にショックだった。
そして何でリーフのおっさんが死んでしまったのか詳しいことも説明しろと言うとここでメロが分かりやすく説明を始めてくれたのである。
どうやらリーフ率いる軍勢は天照大御神が率いていた軍勢と一度、合流してから挟み撃ちをしようと提案をされてリーフのおっさんはそれを承諾して作戦通りに進めたらしいけど先に天照大御神が率いていた軍勢が壊滅してしまったらしい。
その為に弔い合戦と敵が少なくなったとして奇襲をして打倒そうとしたけど結果的に敗北してリーフのおっさんは討ち死にしてメロとココちゃんは捕虜にされたけど何とか逃げ出してここまで逃げてきたというのだ。
それを聞いてから敵兵はどれぐらい残っていると尋ねると敵兵は残りは二千ほど残っているとメロが話したが俺はそうかとしか返さなかった。
そもそもリーフのおっさんが率いていた部隊は百人程度の軍勢でありしかも老兵たちばかり、それで八千人を倒しているのであれば何も文句は言う事はできないだろうと考えていた。
けれどもリーフのおっさんが亡くなったのはかなり悔しい気持ちであるがこれも戦場に出てしまえば起こりえることだから何も言えなかったがリーフのおっさんたちが残してくれたこの好機を逃さないようにしなければならないと感じてすぐに皆に伝えた。
「皆のもの、今の話で聞いたかもしれないが魔王城に向かった部隊は殆ど全滅した。しかし、先人たちは未来の者たちの為に多くの敵兵を討ち取り、未来の礎となった。その思いを無駄にしない為にも我々は行動に移すぞ」
そう宣言すると周りの者たちはみな士気が高まり声を上げていた。俺はまずは自ら魔王城に向かいアーナスを救出して他の者たちは一度、本国に戻り軍備を整えてから魔王城に来るように伝えた。
この時にメロとココちゃんが一人では危険なので私達とシビラさんも同行させることをおすすめ致しますと提案をされたのである。
確かにその手もありだけど誰からしらには一度、本国に戻ってこの状況を知らせてほしいのでここは清水宗治とも面識があるシビラに戻ってもらって事情を説明させたほうが助かるのでそれはシビラには帰ってもらうと伝えた。
するとメロとココちゃんが舌打ちをしてこちらを軽くこちらをきつい目で見つめてきたのである。確かにシビラもいれば成功しやすいと思うけどそれでは次に繋げないから今回は見送るしかない。
その時にメロが泣きながら俺に対してお願いをしてきたのであった。
「テンガ様、どうか死んでいった者たちの為にもシビラさんを同行させることをお願い致します。そうすれば必ずアーナス様も喜ぶはずですから」
本当にやけにシビラの同行を希望しており何を彼女に求めているのかと考えたけど無理なことは無理だからと諦めてもらった。
聞き終えるとかなり悔しそうな顔をしてこちらを見てきていたがやはり現場のものしか伝わらない悔しさなどがあるから余計に晴らしたいのであろうなと感じながら見ていた。
そうして俺は先程に話した通りに行動に移そうとした時にシビラが俺を呼んできて少しばかり離れたところに向かいしてほしい事は先程の内容を詳しく清水宗治さんに伝えたいので紙に書いてほしいと言われて俺は詳しいことを書き始めるのであった。
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