第37話、戦いに勝つためには
俺達はルココの速さによって敵が俺の領土に侵攻する前に戻ってくる事に成功した。みんなも俺がいないから心配をしていたのかなと考えていたがまあ、悪徳貴族でも戦乱で巻き込まわれて死ぬよりかはマシだろうと考えているのだろうなと感じながらすぐに対策会議を開いた。
まずは魔王軍が前からこの場所で苦戦をしていた場所、要塞を俺なりに改良していたのだ。
ここさえ守りを固めてしまえば領土の安全は確保されるのは前の戦いの結果、そうなったからな。もう一つの道は敵の兵站を無くすために壊してしまったから。
だからこそこの地は戦国時代の城をモチーフしていたのだ。実は沼地、みたいな場所に水分が多く含まれない小山または丘みたいな場所を見つけてそこに城を作り出していた。
そこはまるで元の世界で例えるなら清水宗治が昔に城主をしていた備中高松城に非常に似ていたのでそのまま俺はそこを備中高松城と名付けていたがまさか、こんなに早くに活用することになるとは夢にも思わなかった。
しかも周りの地形を似ているからそのまま俺は清水宗治を大将にそこを守るようにお願いをすると清水宗治は泣きながら嬉しそうにして御意と言ったあとに俺に対して宣言をした。
「必ずやこの地を守りきってみせましょう!守りきれぬ時はお詫びとして腹を切って若様に謝罪をいたす所存でござる」
アンタの場合は人間だった時にやっていたから真面目に反応に困るから死ぬことは許さないけど突破される事も許さないからなと内心はそう考えていた。
ともかく前線はこんな感じになりそして俺にとって見ればもう一つの方が大切な事になるかもしれないが実は魔王様の妹さんであるアーナスが俺に助けを求めてきているのだ。
今はギリワン・ボルケーノに捕虜にされて自由に動けないので外部からの助けを求めてきたのであろう。
それだけにギリワン・ボルケーノに内部は制圧されてしまっていると見ても良いだろうな、だから敵からの寝返りなど期待はできないだろうな。
てもアーナスを助けることによって大義名分をこちらの手に渡ることがあれば向こうの中からでもこちらに寝返りをする者も現れてくるだろう。
そうなればこちらが少なくても勝機が生まれて来ると言うものだ。その為にもアーナスの救出は絶対条件だけどそれをするには圧倒的に兵力がないのが現実でありそれが困っていた。
その時に義勇軍として見たこともない老兵たちが集まってきたが俺の顔を見るなり泣き出して歓喜の声をあげていた。
俺はもしかしてこの人たちはと思って清水宗治に尋ねてみると清水宗治ははい、先代フェニックスに仕えていた旧臣たちでござると言ってきてやはりかと感じてみていた。
すると老兵の一人が俺を見て若き頃の先代様にそっくりだと泣きながら嬉しそうにしていたけど神話通りに英雄、フェニックスは配下たちに慕われていたのだなと思ってみていた。
ついでにその兵数が数百人ほどで清水宗治が一人一人が歴戦の勇士であるらしく期待はできると思った俺はある作戦を思いついてお願いをするのだった。
「老兵であっても父上に仕えていたその力を期待しております。リーフに命じます、清水宗治を除く旧臣たちを率いてアーナスの救出をしてきてください。道案内にメイドのメロをつけます、メロもそれで構わないか」
俺は敵にまだこの兵力は知られていないので奇襲が成功しやすいと考えており、その上に魔王城に何度も付き添いで来ていたので内部の構造を知っているので上手く行けると考えた。
もちろん、そちらに主力を回してしまうので俺達は大変かもしれないがここさえ上手く行けば後はかなり楽になると信じている。そしてリーフを始め皆が納得してくれて分かりましたと承諾してくれたのである。
そうして別働隊としてリーフおっさんを大将に副将にルココ、道案内にメイドのメロ、そして先代の旧臣たちで構成されて出発をするのだった。
清水宗治の話だと後、二人ほど旧臣たちがいるらしいけどそれは後で来ることだから待っていよう。
それよりも敵軍は十万と聞いたがどうやらいろんな方面からばらばらで進軍してきているので上手く各個撃破を狙いたいと考えていた。
そして全軍が集まった時にやることは敵の兵糧庫を攻めて無力化を図って時間を稼ぎ逆転の手を待つしかない。
その頃にはアーナスも救出作戦も終えているだろうから反撃ができると考えていた。さて、俺も五百ほどの部隊でゲリラ戦でも始めることにしようと考えて三千の兵力を俺が五百、清水宗治に二千、そして街を守るアーシャ、ナオに五百という形にしたのであった。
そんな事で再びアーシャとしばらく離ればなれになってしまうので出陣する前の数日だけでも最後の時間を二人で過ごしていた。
「本当に済まなかったな、せっかくの新婚旅行がこうして中断になってしまって」
「私は気にしておりませんから、それにそうなったのも貴方に原因はないのですから気にせずにしておいて下さい」
それはその通りだけどなんか申し訳ないという気持ちもあり故郷でできることはしてあげたいと思って聞いてみると普通に暮らしても宜しいですかと言われたのである。
俺はそんなことで良いのかと返すとアーシャは普通が一番良いですからと言われて確かにその通りだなと感じた。
アーシャの気持ちもあり普段通りに過ごしていた。アーシャがお気に入りの場所でゆったり過ごし俺が料理をして過して別に特に変わったこともない日常だけどアーシャはそれが一番だと言って俺も昔はそんなことも考えていたなと思いだしていた。
そんな一時的な平和なが終わりを告げて明日から俺は敵を少しでも足止めをする為に出陣することになった。
前夜に二人で月夜を見て俺はある事を伝えるのであった。それは俺は前世の記憶がありそれが元で今は悪党として振る舞っていることを伝えるとアーシャは微笑んでから俺に伝えてきたのである。
「そうだったのですね、でも私はそんな貴方も大好きですからそんなことでは私の気持ちは変わりませんから」
「そう・・・良いのか、こんな悪党で俺ならかなりショックを受けると思っていたのだけどやはりアーシャは優しいな」
「そんな事はありませんよ、それに貴方は悪党と思っているかもしれませんけど私にとって見ればそんな事はないと思っています」
そう言いながら俺の肩に体を傾けさせて密着したのである。この行動は今宵は夜戦(意味深)をしたいという隠れたメッセージで俺は良いのかと聞くと何も言わずにただ頷き俺はそれを承諾して部屋にアーシャを姫様抱っこをして持ち帰った。
その後に何をしたのかは想像に任せることにしよう。そして翌朝になり俺達は出陣の支度を終えて出ようとした時にアーシャが待ってくださいと言われたので俺はなにか忘れ物でもしたのかなと感じてアーシャの近くまで向かった。
アーシャが最後にこれを忘れてしますよと言ってからアーシャは俺とキスをしてきたのである。
俺は全く、アーシャは甘え上手だと感じながら受け入れて二人、深いキスをして離れる時には赤い糸ではないが太陽の光で銀色に見える糸が繋がって見つめ合ってから俺はアーシャ、必ず生きて戻ってくるから待っていてくれと言い残して馬に乗り出陣しようとした。
すると周りの殆どが真っ赤になりながら共に出陣をした時に清水宗治が若様、あの人目を考えてやってくださると嬉しいでござると恥ずかしそうにしていた。
でも俺はそんな事は気にしないからな、何故なら俺はアーシャのことが大好きだからなと返すと部下たちも真っ赤になりそうですかと返した。
そして俺はまたアーシャと平和な日常を取り戻すためにも迫りくるギリワン・ボルケーノの脅威と戦いを始めようとしているのだった。
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