第36話、思わぬ誤算(他人視点)

フッフッフッフッフッフ、吾はギリワン・ボルケーノ、次に世界を手にする偉大なる魔族であり最高のイケメンとも言える顔をしてまさに世界を支配するために生まれてきた存在と言えることだろうな。



ついこの前に若造の魔王を殺して吾が新たな魔王となり国を動かし始めている。吾には色んな秘策がありこの前まで目の前で実の兄を殺されて吾に対してかなりの憎しみを抱いていたアーナスも今では完全に吾の物になっている。



約束通りに妾にして夜の相手を何度もしてもらっている。もう、吾に逆らうなどの意志は全く消えておるだろうな。



アーナスにしたことは完全に心を折らせた後に催眠魔法と魅了魔法を使い次第に吾の事を好きにさせて王位を奪い取った。



その代わりにアーナスを妾としてやる約束も守っているがこのアーナスもかなりの美貌を持ち合わせ吾の物に相応しい女だった。



全く女は魅了すれば大抵は吾の物になり、吾よりも優れている才能を持ち合わせていようとも心を吾の物にしてしまえば吾が強くなった事になるからなだからこそ女は大好きだ。



そして今回は吾の思い通りになると思ったが想定外なことが発生して思うように計画が進まずに苛ついていた。



それも含めて今後の計画を話し合うために集まっていた。アーナス、ツナミの三人で会議していた。



「さて、二人とも今後の関する会議と吾を一番邪魔をしているテンガ・ヒノモトをどの様にするかを会議を始める、意見や提案が好きなように発言するが良い」



そうするとすぐにツナミがテンガに関する厄介さを説明をした。本当にツナミはあのテンガ・ヒノモトの事が嫌いだからな余計に調べていたらしいがそれが役に立つとは思いもしなかったが良くやったと褒めておこう。



さて、肝心のテンガ・ヒノモトことに関して言うのであれば吾は最初はただの成り上がりの猪武者だと考えていたが実際は戦術能力があり、内政能力も頭一つ抜けており、そして魔王軍でただ一人、吾の計画を知ってそれを邪魔をしてきたのだ。



その人を見抜く眼にそしてアーナスに対して気づかれないようにあのような形で暗号として伝える辺り、余程に知恵も回ることが判明した。



つまり、あの男は猪武者ではなくて万能なタイプの天狗だったという訳だ。それにしても流石に強すぎると感じた吾はあの男の素性を調べてみることにした。



吾はこの世界以外にも勢力があり、日本などの場所にも吾の配下が潜んでいたのでやつの事を調べさせてもらった。



するとあることが判明をしたのである、それはやつの親が人間共が神話として語り継がれている英雄、フェニックスとそれに付き従っていた毛利彩美の間の子供だと判明したのであった。



それを聞いた吾はなるほどなと何でやつがここまで有能だったのか説明や理由など分からなかったがその話を知ってから合点した。



そうか、それならばここまで優秀でも納得するとならば配下にでも一度は考えたが奴は明らかに吾に対して強い殺意を感じ取った。



その証拠に吾以外に吾の心臓がある場所にそしてそれを壊す方法までしっかりと研究してきて吾は危機的な状況になりそうであったがその前に元魔王を食べていたから何とか助かったがもう少しだけでも遅れていたら吾は死んでいただろうな。まさに紙一重と言える状況まで追い込まれたのである、あんな若造ごときにこのギリワン・ボルケーノ様が!!



そう思い出すだけでも怒りが湧いてきた、あれさえ無ければ吾は持っと強くなり既にこの世界を支配者に君臨していただろうにあのテンガ・ヒノモトのせいで大幅に遅れてしまった。



この礼はしっかりと返す為にも今後のことを話し合ってもいるのだ。そんな時にツナミがならテンガ・ヒノモトが大切にしているものを全て奪ってしまいましょうと提案をしてきた。



確かにその考え方は嫌いではないが具体的な方針がないのでは意味がないと言おうとした時にここでアーナスが方針を伝えてきたのである。



その方針とはまずはテンガたちを出来る限りに分裂させてからテンガがいない方を上手く集中攻撃をして男なら殺して女なら吾の好きなようにするということでその後に詳しい計画を聞いた吾は素晴らしい提案だと感じて採用した。



するとアーナスが褒美として夜這いをしても宜しいでしょうかと尋ねてきたので吾は喜んで承諾すると嬉しそうにしていたから吾は意地悪く、お前の兄を殺した存在にこうしているのは辛くないのかと言うとアーナスはこう返事をしてくるのだった。



「そうですね、前の私でしたらきっと死ぬほどに後悔をして泣き崩れて精神崩壊をしていたかもしれませんね。けれども今は違いますからあの愚兄から私を解放していただき本当に心から感謝をしています。ですので末永く可愛がってください、ギリワン様」



そこにかつて心の底から魔王である兄を慕っていた妹はそこにはもう存在しておらず、今は兄を殺した存在に心から恋心と忠誠を誓うメスと成り果てていた。



その光景を見て吾は満足してアーナスを吾の元に引き寄せて抱きしめてやるとアーナスは完全にメスの顔になり吾の体を満喫そうにして体を合わせていた。



それを見ていたツナミが顔を真っ赤にして嫉妬をしてきたがお前も何かしらに役に立ったらしてやると言うと今度は別の意味で真っ赤になり分かりましたと大人しくなった。



さて、こうして内部は殆ど掌握してアーナスが吾を正式な魔王に推薦してなり殆ど従ったがあのテンガ・ヒノモトはどうやら最後の最後まで抵抗をするつもりなのか、あのフェニックスと深い関わりがある花の都に向かったのだ。



もし、神話が正しければあそこには英雄、フェニックスが作り出した雷龍十文字槍が眠っているという言い伝えがあるがそれを確かめる手段がなく、それに所詮言い伝えだと甘く見ていたがこうなると雷龍十文字槍がある可能性が出てきた。



万が一に手にする事があれば更に厄介なことになるが・・・そう、短時間で見つかるとは思えないのでそこは置いておこう。しかし、厄介なことはフェニックスの旧臣たちがあいつの子供が生きていたと伝わり始めたのか集まり始めているのだ。



いくら、老兵ばかりになっていようとも伝説になったフェニックスの配下には変わりはない強者揃いであるために苦戦はしてしまうかもしれないがもしこれを倒せばこの世に吾に対抗できる存在はいなくなる。そう考えただけでもかなり興奮してしまうな。



さて、あのテンガ・ヒノモトに生まれてきたことを後悔させるぐらいの苦痛を与えて殺すために吾はアーシャを始め、メロ、ルココなどの女達をあのテンガから寝取って奪いそしてツナミにはナオ、リーフドラゴン、清水宗治などを寝取って奪い取るように命令を出した。



フッフッフッフッフッフ、ツナミはサキュパスの中で魅了の力は桁違い。そして吾もインキュバスの力がありこれまで狙った女は全て寝取って奪い続けてきた。



失敗などあり得ない、そうこのギリワン・ボルケーノを敵に回した時点でテンガ・ヒノモト、貴様の運命は決まっていたのだよ。



吾は心の中で高笑いをしながらこれから待ち受けるあのテンガ・ヒノモトの苦痛の顔を見るだけでも楽しくなってきたのであった。

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