第32話、竜人少女、ルココ

俺たちは飛んだり歩いたりして目的の花の都に向かっていたがこの辺の山脈地帯は本当に険しいとしか言えなかった。



地図ではこの山脈地帯を挟んで接しているから飛べるなら簡単だろうと思っていたがそれは大きな間違いだったと思い知らされている。



だからこそあの日記に花の都にまで逃げきれば助かると書いてあったのも頷けるとしか言えなかった。



そんな事をしながら休んでいると遠くから何かがこちらに迫ってきている影が見えたので確認をしてみるとそれは大きなドラゴンで普通にリーフおっさんぐらいはあるかもしれないと思うほどでやばいなと思いながら逃げようとした時に清水宗治が嬉しそうにしてあれはと言っていたので知り合いなのかと尋ねた。



「清水宗治、あのドラゴンはお前の知り合いと見てもよいのだな。それにしてもリーフおっさんみたいな感じかな」



「若様、あのドラゴンも先代から仕えていた者で少しばかり抜けているところはありますが主に対する忠誠は本物なので心配はしないでほしいでござる」



なるほどやはりと思っていると遠くからご主人さまーー!!と泣き声に近い声で迫ってきて激突すると思ったら清水宗治が前に出て両手で何とか受け止めた。



「全く、ルココ殿!若様に当たるところだったでござるよ。いい加減に加減を覚えたほうが良いでござるよ」



「すみませんでした!でも松永紅龍様の子供が生きていたと聞いて死ぬ気で飛んできただけなんです、信じて下さい、宗治さん」



まあ、なんとも元気そうなドラゴンであること落ち着いているリーフおっさんとは真逆で全く落ち着きがなさそうなドラゴンであった。



でも体から出てくるオーラはまさしくドラゴンの中のドラゴンと呼べるほどに圧倒的に感じていた。



そして俺に向かって挨拶を始めてきたのであった。



「どうも始めまして若様、私は炎龍のルココといいます。皆からはココちゃんとも呼ばれていますので気軽にココちゃんと呼んでください」



うん、見た目通りに元気が良いドラゴンだなと思っていると清水宗治がそれでは話しづらいだろうから人間に変装でもしたらどうだと言われてココちゃんはなるほど分かりましたと納得していた。



なんか、この子からお馬鹿みたいな雰囲気を出しているのだけど大丈夫なのかなと思っているとココちゃんは人の姿に変装をしたのであった。



その姿は赤髪のロングヘアーまで良いけど明らかに人間にない角が生えておりその上に服装もなかなかエロいと言うか風が吹けば下着が見えてしまいそうになるのに問題はないのかなと思っていた。



しかし、清水宗治が泣きながらよくぞココ殿、服装をしっかりと着てくれるようになったと感動をしていた。



あれ?もしかして人間に変装した時に裸だったことがあるのと聞いてみるとココちゃんは笑顔ではい!普段は服を着ていないからそれが普通だからと言って最初は着ておりませんでしたが清水宗治さんが着ろと言われて着るようになりましたと言っていた。



間違いなくこの子は色々と常識がないと理解をして先程に清水宗治が言っていたことが理解をしてしまった。



全く、何でこんなに常識がないのかそれとこの子に服を着ろと言って着させるようになった清水宗治の努力は凄いと感じた。



それと今からだけど松永紅龍って誰?おそらく俺の親父の名前だろうけど後で詳しく聞いておこうと思っているとココちゃんがアーシャを見てこのエルフさんは誰?となっていたので説明しようとしたら先に清水宗治が説明をしたのであった。



すると奥様ですねと嬉しそうにしてアーシャに対しても自己紹介をするのだった。まあ、馬鹿だけど悪いやつではないことが理解した、その後は俺がここにいる理由など話したがあんまり理解しているのか怪しい反応である。



清水宗治が後でしっかりと教えますので気にしないでほしいでござると言いながら疲れた顔をしていた。あれだ、昔に社畜の社員みたいな顔をしているから余計に心配だ。



ついでにこの子は強いのかと尋ねるとリーフおっさんよりも遥かに強いと清水宗治は言ってきたのだ。



・・・マジで!!あのリーフおっさんよりも遥かに強いってマジなのと思っていたけど確かに強者のオーラを感じるけど。



強さに偏りがあるなと思いながら進み始めようとした時にココちゃんが私の背中に乗ってくださいと伝えてからココちゃんがまたドラゴンの姿に元に戻り俺たちは言葉に甘えさせてもらって乗ることにした。



その時に清水宗治がココちゃんに対して間違ってもスピードを出しすぎないようにしてほしいでござると言って聞いた俺は嫌な予感を始めた。



その瞬間に俺はココちゃんが繰り出したスピードのせいで吹き飛ばされてしまった。



出し過ぎないようにと言ったそばから出したのですけどと思っていたら俺が乗っていないことに気がついたココちゃんがご主人様ーー!!と悲鳴に近い声をあげてまた戻ってきた。



そうして俺を回収したのは良いけど・・・アーシャはと言ったら今度はアーシャが空に飛ばされていたので今度は奥様ー!!と又しても悲鳴に近い声で叫んで回収に向かった。



俺をまたしても吹き飛ばして・・・おいーー!!この子には学習能力はないのかと思うぐらいに同じ状況になりまたしても俺を回収してはアーシャを吹き飛ばしてはアーシャを回収しては俺を飛ばして・・・完全なイタチごっこじゃないかと俺は清水宗治に何とかしてくれと頼むのであった。



それから約一時間後にようやくイタチごっこが終えて動いていないのにヘトヘトになっていた。すると清水宗治が今度は牛のようにゆっくりと移動してほしいと頼むとようやく景色を眺めながらゆっくりと移動をしてくれたのである。



それでも俺に対して忠実な部下が配下になっまた事には変わりはなかったから良しとしよう。それにしても母さんはある程度に教えてもらったけど親父に関して教えてもらっていないなと感じていつかは教えてもらおうと思いながら進んでいくのであった。

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