第31話、観光したいのに誰もいないだけど

俺たちはそうやって炎の司る四天王、ギリワン・ボルケーノが治めている街のところに到着したがやけに静かであった。



大きな街があり家もたくさんあるのに誰もいる気配がないのだ。そして立派な道もあるけど誰も歩いておらずなかなか不気味に感じていたので俺はある人にお願いをしてみた。こんな時は何かが起きていることは鉄則だからと考えていたから。



「清水宗治、近くまで来てくれるか」



そういった瞬間にすぐに現れてここにと言ってくれたので俺はここの人たちはどこに向かってしまったのか調べてくれるかとお願いをすると御意と言ってすぐにいなくなった。



なので俺はアーシャと二人で町並みを見ながら歩いていた。



「いやー、いきなり変な状況に置かれてしまったね。でも町並みは綺麗だから本当に良いところなんだろうけど・・・これではお金を持ってきても仕方がないな」



「仕方がありませんよ、もしかしたらなにか大切なことがあったかもしれませんからそれよりも二人でこうしてひと目に気にせずにいられるのは私にとって幸いなことです」



そんな恥ずかしいことを言うなよ、聞いているだけでも恥ずかしくなるだろうと言いながら俺たちはこの街の宿屋を見つけたので入ってみることにした。



そこに予想通りに誰もいなかったけどここなら何かあったのかわかるものが見つかるかもしれないと考えて探し始めた。



するとここに最後の記録があるのが一週間前になりそれからは一切の記録はなかったけど一週間前に何かしらのことが起きたのは間違いなさそうだなと感じた。



そんな事を考えていたらアーシャが見たこともない文字が見つかったと言いながら持ってきたのだ。



全く、俺だって魔族語とエルフ語しかわからないのに他の言葉なんて理解できるかと言いかけた瞬間に俺は信じられない文字が見つかったのである。



それは間違いなく日本語であり、それもどうやら日記みたいなもので俺はこれならば何かしらのことがわかるかとしれないと感じて読み始めた。



・・・それからしばらくは読んで内容を見ていたが想像を超える内容が書かれてあった。



炎を司る四天王、ギリワン・ボルケーノが気が狂ったようにこの街に住んでいた人々を食い殺して周っていたらしい。



そして日記の主は何とかして隣の花の都まで逃げ延びると書いて終わっていた。俺は信じられない内容だけどそれ以上に転生者の可能性が高いのでそのような意味でも接触はしたほうが良いだろう。



考えているとアーシャが心配そうにして俺の方を見てきたけど真実を教えるのには刺激が強すぎるから曖昧に伝えることにした。



「どうやら、この日記によると人々が消えていったらしいけどその原因がこの地を治めているはずである、ギリワン・ボルケーノだと書かれてあった」



そう伝えるとアーシャはそんなと言って悲しんでいた。まあ、確かに領主が民を殺すなんて自分に入ってくる税金を自ら減らしているみたいなものだから信じられないのもわかるけど日記には爽快であるからとしか言えなかった。



その時に清水宗治が戻ってきて若様、見せづらいものが見つかりましたので奥方様には見せられないと言って案内をしてもらった。



道中までは一緒に行動してこの辺りで待っておりますと清水宗治とアーシャがある大きな建物の前で待っていたのでこの中になにかあるなと扉を開けた。



その瞬間に異臭と同時に無残な死体またはその死体の破片が見つかったのである。一体ぐらいならばまだ良かったがそれが建物、全体に死体と死体の破片があり俺は思わずに戻しそうになったが何とか押しとどめたがこれは早いうちに出て行ったほうが無難だなと感じてすぐにアーシャに伝えた。



その時にアーシャが真っ青しながら指を指してきた、無理もないあのような光景を見せられてはと思っていると清水宗治が叫んで槍を投げてきた。



「若様ー!避けてくだされ!!」



いや、お前がやってきたのになんでと思って避けたがそこには先程の死体が動いて俺の後ろまで迫ってきていたのだ。



俺はおいおい、ゾンビになるって聞いていないだけどと思いながらもその場から離れたがこちらの存在に気がついたのか次々へと起き上がりこちらに向かってきたのだ。



おいー、俺はゾンビモノの世界に転生した覚えはないぞ!やばいと感じて俺はアーシャを姫様抱っこして飛び上がった。



清水宗治は某はこの腕で突破するので先に逃げて下されと言われたのでその思いを汲み取ってその場を後にした。



さて、どうしたものかなと思いながら火山に飛んで逃げていると火山に遺跡みたいな物があり、そこに立ち寄ってみる事にした。疲れてもいたし何かお宝でもありそうな感じをしていたから余計に興味が惹かれた。



それにそこまで大きくないからすぐに奥に何かがあるのが理解したこともあるから向かってみることにした。



そうして向かってみるととても綺麗なルビーみたいな宝石が見つかりこれは良いものだなと感じてせっかくの旅が大変な目に遭っているアーシャのことを思って加工しようと斬り始めたが想像以上に柔らかく真っ二つになってしまった。



やばい!力加減を間違えたかなと考えているとアーシャが宝石は前にもらいましたかは大丈夫ですからと言ってくれたから俺はありがとうと伝えてからならこの宝石の後処理をしますかと行動に移した。



まずは宝石を聖水とかで綺麗にしてから火山にあるマグマに入れ込んだ。聖水は聖女の力があるから作れるのかと半信半疑で作ってみると最高質の聖水が完成してしまったけど使い道がないのでここで使う事にした。




自然は自然に還してあげるのが一番と思いでやり終えてから俺たちは目的の花の都に向かって行こうとした時に清水宗治が遅れて申し訳なかったでござると言いながら生還してきた。



いやいや、あれ程にヤバそうな感じをしていたのに平然と生還してきているのですけどと思いながら迎えると清水宗治が次のように話したのである。



殿で戦っていたら急にゾンビたちが光り出したと思ったら元に戻ってしまったと言うのだ。あまりにも信じられないと清水宗治は慌てて話したけど聞いているこちらからしても信じられないから安心してくれと伝えた。



ともかく街はもとに戻ったのかと安心したけど今から戻るのは大変だからこのまま花の都に向かいますかと気持ちを切り替えた。



その後になって分かったことがあるが今の清水宗治は人間でなくなっており俺と同じ鴉天狗になっていると話してくれたの良いけどそれを最初に言えよとツッコミを入れながらもある疑問が起きて清水宗治に尋ねてみた。



そう言えば俺の母さんももしかして人間でなくなっていたと聞くとその通りでござると言われた。ならもしかして鴉天狗だったりすると聞くと正解でござると言われて俺はそうだったのかと俺がなんで鴉天狗になったのかなんとなく理解をした。



そうして清水宗治が知っている母さんの話や俺の過去の事を話しながら進み続けるのであった。

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