第26話、直接に戦えば必ず負けるから・・・
さて、俺はかなり自信があることを言っているが向こうは五千ぐらいの兵力でこちらの5倍ほどの兵力でしかも精鋭部隊と来たものだ。
前に俺が圧倒的に不利な状況で大活躍した時は相手が無理矢理に徴兵されたばかりの寄せ集めの集団だったこともあるから余計に今回はそううまくは行かない。しかもエルフである、直接に戦えば必ずに負けてしまう。
だから以下に直接に戦わずに弱体化させて相手を降伏または撤退をさせるかをしないといけないのだ。
その為にはまずは相手の兵站を断ち切らねばならない、俺は迫りくる五千を僅か三百の兵で待ち構えて残りの七百は相手の兵站を破壊するように命令をさせた。
実は既に調べはついていた、この地形が元の世界で言えば三国志の蜀に近い事もあってもしかしてと思って調べて置いたのだけどやはり崖みたいな所に橋を作ってそこから輸送をしているのだ。
無論、人が通るぐらいなら他にも道があるが軍隊の輸送までなるとその橋しか道はなかった。
勿論、こちらが向こうに攻める時にもここしか無いから相手はまさか壊させることは無いだろうと油断しているらしくあんまり守備兵がいないのだ。
これは絶好の機会としか言えなかった、ココで兵站を断てば向こうの軍隊は陸の孤島になってしまう程になる。
それだけに兵站は大切なのだ、それを疎かにすれば第二次世界大戦の日本軍みたいな末路を辿ることになる。歴史を学ぶという事は昔の偉人の成功例や失敗例を学べるという事だ。
それだけに俺は歴史を学んで出来る限りに対策をして生きてきた。まあ、実例があんまりないと対策が甘くなりそれが前世では死に繋がってしまったと言う訳でもあるので俺自身もまだまだ成長をしないと駄目であるけどな。
話が逸れてしまったがだからこちらが迎え撃つ兵力を少なくさせても向かわせる価値がある・・・いや、勝つにはこれしかないと言えた。
もちろんの事、その間にも敵が待っていてくれるはずもないのでこちらはこちらで迎撃準備をしなければならないが先程にも説明はしたけど直接的に戦いをすれば負ける戦いになってしまうので戦わずに衰弱させる方法をしなければならない。
この方法はこの山々にそこに森などがあるからできることでここが平らな土地だったら俺はお手上げだったかもしれないけどここまで険しい土地ならばあれ程の大軍でも打ち破れる方法はあるのだ。
まさに土地に助けられたとも言えるけど後は地元のエルフたちにも協力をお願いをした。無論、戦闘などは一切参加などしなくても良いと言ってまず、山のいたる所で夜になるまで隠れていて夜になれば数回程度、太鼓を鳴らして夜襲するふりを演じてほしいとお願いした。
そうなれば向こうは夜も警戒してろくに眠れることは無いだろう、その上にこちらは地形を利用して相手にバレないようにすることも可能であり一方的に弱体化する事ができるのだ。
もちろんずっと同じだと相手は太鼓を鳴らしても油断をしてくるだろう。だからある時には本当に夜襲を仕掛けて攻撃する。
被害は軽微でも構わない、相手に本当に夜襲をしてくるという認識を与えるだけで構わない。そうなれば太古の音を聞くだけでも眠れなくなり次第に体力が無くなり力も衰えてくる。
そこに物資が届かなくなれば部隊は一か八かの攻勢または撤退するしか道がない。そしてそこで俺はもう一つの作戦をすることで相手に撤退の道をさせる事にした。
それは迎え撃つ軍隊を日に日に多く見せる言わば偽りの軍隊を見せてこちらが多くいるように思わせるのだ。しかもかがり火を地元のエルフたちに動かしてもらい本当に来ているように見せるのだ。
方法としては衰弱した後に夜なりかがり火を夜を重ねるごとに多く増やしてどんどん援軍が到来しているように見せて相手が戦うという方法を取りたくないように誘導させる。
そうしてエルフの軍は撤退するしかないだろう、そして大半のエルフが撤退が終えた時に始めて追撃戦を始めて打撃を与える。
全員、または殆どが残っている時に追撃でもしたら相手は生き残るために全力で反撃に出るだろう。追い込まれたらネズミでも猫に対して噛み付くぐらいだからこれぐらいは当然な事にしてくる。
だからこそ、半分以上が撤退できているという真実があれば戦うよりも逃げたいと心理的に思うので意外と一方的に攻撃ができるという訳だ。
まあ、相手がスパルタ兵とか薩摩兵とかだったらまた話は変わってくるけどエルフたちがそこまでの戦闘狂ではないだろうからそこは気にしない。
最後の一兵まで戦うのが当たり前だろと心構えている化け物集団でなければこれで勝てるという訳だ。
俺はすぐに兵士たちに命令をして俺は三百兵を指揮をして別働隊はナオに任せる事にした。ナオも俺と共にずっと戦場を生き抜いてきたのでこの行動にどれだけの重要性があるのか理解しているみたいで真剣な顔で分かったと紙に書いて答えてくれた。
やはりナオは理解できているみたいで助かると思いながら別働隊を見送って俺たちは敵の本隊を迎え撃つ準備をした。
迎え撃つと言っても先程に説明した通りに全然直接的に戦わないけどね、でもエルフたちからすれば同族と殺し合いなどせずに勝てるという事もあり協力してくれる地元のエルフたちが気合を入れて作業をしてくれた。
それだけに予想よりも効果があり、相手のエルフたちは夜も眠れない日が続いて日に日に衰弱していっているのが遠くから見ているだけでも理解ができるほどであった。
そんな時にナオたちが帰還して上手く敵の兵站を破壊する事が成功したとナオが紙に書いて嬉しそうな表情をしていた。俺もありがとうと言葉で返した。
そしてある日に俺たちは本当に夜襲を仕掛けてきたけど連日の疲れや何度も嘘の夜襲を繰り返しているから今回もそうだろうと考えていたのか警備が全く機能しておらずに敵中奥深くまで侵入して陣営に火を放った。
そこでようやく本当の夜襲だったと気がついて戦いの支度をしようとしていたけど敵の前で出来るかよと思いながら攻撃をしていた。
しばらくすると一部だけ反撃体制が完了しそうな部隊が現れたので俺たちは潮時だと感じてそのまま暗闇の中に消えて行った。
その後も嫌がらせの様に嘘の夜襲を繰り返して相手の寝ている暇を与えない様に繰り返してそして最後にこちらの陣営のかがり火を連日増やしてこちらが徐々に大軍になっているように見せつけた。
すると物資も補給されない敵が多くなって来ているなどエルフ側から見ればいろいろな不安が重なり遂にエルフ軍は総退却を始めたのである。
俺たちは静かにその撤退しているエルフ軍を密かに追撃していた。向こうに気づかれずに追撃してそして敵軍が崖を一人一人と何とかして渡って3分の2ほどが渡りきった直後に合図の太鼓を鳴らして突撃を開始した。
すると敵軍のエルフたちは多少無理をしても逃げたいと思いで武器や道具など捨てて崖にしがみついて敗走を始めた。
良かった、これで反撃でもされたら大変だったけど予想通りに逃げることしかしていないので助かった。
こちらも無理に殺す事はせずに脅しでこちらのエルフ達は弓矢や魔法を放っていた。そうしてこちらの被害は全くなく勝利をした。
しかも敵軍は武器、建築のための物資を放棄していたから遠慮なく貰い受けることにした。まあ、これが欲しくて追撃戦をやったと言ってもその通りだとしか言えないからな。
そしてそれらを作戦に協力してくれたエルフ達に分け与えた。これで俺からお金も支給しなくて済むから俺の財産の被害も無しという最高の展開で終わりを迎えた。
そして本国と孤立したエルフの国の領土に住むエルフたちが安全を保証に降伏してきたのでそれらを受け入れてこの辺、一帯は完全に魔王軍の支配下に治まった。
そして俺の知名度はエルフだけでなく人間たちに更に知られるようになった。そして無論、魔王軍でも良くも悪くも伝わり新たな動乱が迫りつつあるのであった。
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