第24話、私の王子様(他人視点)
私はアーシャ、エルフの国に生まれ育ったどこにでもいる普通のエルフ。銀色のロングヘアーして胸はその大きい方ででも探せばいそうなエルフが私である。
もし、普通でないとすれば私はこの辺、一体の責任者である長老の娘だと言うことぐらいだろう。それ以外は本当にどこにでもいる普通のエルフだった。でも周りからは美貌にも優れていると言われているけど私個人的にはそう感じたことはないけど。
そんな私は長老の娘として他のエルフたちに対して真剣に接していた。お父様に迷惑かけないように必死に生きていた。
ある日にこの辺一帯を飢饉になってしまう程のことが起きてしまった。お父様はもちろん私も必死になって状況を何とか改善しようとしていたがどうすることも出来ずに役人から税金の徴収が来てしまった。
お父様と私は役人に対してこんな状況ですから今回ばかりは待って頂けないでしょうかとお願いを何度もしてそうしてこの地の領主様は税金を収めなくても構わないからある条件を言い渡させた。
それは村の美人を領主様の妾になれば税金を免除すると言うものであった。
噂で聞いていた通りにこの地の領主様はかなりの女好きであり、良く税金を納めきれないものには連れて帰り自分の女にしていると言うのだ。
私は風の噂しか聞いていなかったけどやはり、その通りの人物なのだなと理解をした。そして私は自ら向かう事で町を救おうと決めた。
最初はお父様も他のみんなも私の事を心配して反対をしていたけど私はでもこのままだと皆は死んでしまう。私はそんなことは嫌だ、だから私は領主様に嫁ぐ事にしたと必死に言うとお父様は泣きながら申し訳ないと謝っていた。
そんなお父様を見て私は笑顔でいいえ、私が決めた道ですからお父様は泣かないでくださいと言ってからみんなの事をお願いしますと最後に言葉を残して私は役人たちと共に領主様が待っている屋敷に向かった。
そこで待ち受けていたのは私の想像を超える巨体のエルフでそこまで大きいとまるでオークのように見えてしまう程であり私は戸惑いながらも挨拶をするのだった。
「始めまして、旦那様。私はこの地の長老の娘、アーシャと言います。名前を覚えてもらったら幸いで御座います」
すると不気味な笑みを浮かべながらなかなかの美人では無いかとこちらを見てきていたその動作は本物のオークと比べても同じと言える行動であった。
しかし、ここで領主様の機嫌を損ねては町のみんながどんな目に遭うのか。私はそれが怖くて必死に逃げたいと気持ちを押し殺して領主様の近くに向かった。
そうしてその日の夜には何も当たり前のように抱かれて私は処女を失ったのである。でもこれは故郷のみんなにそしてお父様の為にと泣きたい気持ちを押し殺して必死になっていた。
私は妾として領主様に嫁いでからしばらくの後に新しい子が入ってきたその子は明らかに私と違ってとても嫌がっていたのに連れてこられた様子で泣きながら屋敷に来ていた。
そんな彼女を見て助けてあげたかったけどそのせいで町のみんなに迷惑が掛かってしまうと考えると私はただ、見守ってあげるしかできなかった。
しかし、その子が日に日に泣きながら生気を失っていくのを見て私は遂に領主様にお願いをするのであった。
「領主様、あの子は連日の事で疲れておりますので今夜は私が務めさせていただきますのでどうかあの子に一日でも構いませんから休ませて頂けないでしょうか」
私は出来る限りに丁寧にそして領主様を怒らせないようにお願いをしてみたのだが現実はあまりにも非道であった。
領主様に反抗するとして手痛い罰を受けてしまうことになった。それは片目を無くすというもので私は流石に抵抗したけど領主なるだけに力が強く反抗も虚しく私は片目を奪われてしまったのだ。
そしてその日から私が助けようとした幼いエルフの少女が私の為にごめんなさいと何度も謝ってきたけど私は大丈夫だからと必死に作り笑みをして安心させようと必死だった。
本当は痛い上にまたこれ以上の事をされてしまうのではないかと恐怖に怯えながら私は幼いエルフを守るという意志で耐えていた。
だけど一度、片目を失うと気持ち悪いと領主から言われてしまいすぐにもう片目も奪われてしまった。
更にここで私にある呪いをかけられたのである。それは見た目で怯えると相手に恐怖を植え付ける呪いと子供など妊娠出来なくさせる呪いをかけられた。
私は生きる望みはほとんど失ったけど最後に残ったのは故郷のみんなとお父様が頭に浮かんで必死に最後の心の砦を守っていた。
神様は私のことが嫌いなのであろう、そんなある日に故郷の皆が飢えと病で滅びそうという話を聞いて私は領主様に話が違うではないですかと言うと領主は私の事を笑いながら答えるのであった。
「助けていたではないか、お前がしっかりとやっている時は既にお前は使い物にならないから助ける義理はないな。まあ、見せしめとしか使いものにならなくなったではないか」
その言葉を聞いた瞬間に私は壊れてはいけない何かが壊れてしまった様な気がしていたけど今の私では何もできずに絶望をするしかなかった。
しばらくすると外がなにか騒ぎ出していたけど私は何の為に生きているのだろうともう冷静な判断ができずにいた。
そんな時に近くにかつて同じ町で暮していた妹みたいに接していたメロの声が聞こえたのである。
まさか、メロもここに連れてこられたのと思い、私は最後に残っていた心で彼女にここから逃げるように伝えた。私はもう助からないから見捨てても構わないからと言っているとメロの泣き声が聞こえてきた。
でも泣いても誰かが助けてくれるはずもない。神様も助けてくれずに魔王も見捨てられて私達に残されたのは伝説の英雄の到来であるがそんな物語みたいな事は起きないとこの時の私はそう考えていた。
しかし、次の瞬間、音でも分かるぐらいにあの巨大な領主のエルフを吹き飛ばした者が現れたことが音で理解した。
何者と思っているとメロが御主人様と言って驚いた声を出していた。そしてすぐにその者は声からして男性だと理解した。
すると私やメロそして故郷のみんなを助ける為にここまで来たというのだ。しかし、領主はエルフの中でも桁違いの実力者で彼よりも強いのは本当に二人ぐらいしか知らない。
それなのにその男性はあの領主を圧倒していたのだ。それはあの領主が慌てている声だけでも容易に想像できて待っていたら領主は男性の手によって始末されたのであった。
それを理解した私はこれで思い残すことは無いと死ぬことも考えていた、みんなに迷惑を掛けたくないからと思っていたら領主を殺した男性が私を貰いたいと言ってきたのだ。
私はこの男性も私の事を見せしめとして扱うのだろうと誰になっても変わりはしないとこのときはそう感じていた。
しかし、その予想は外れることになった。その引き取った翌日から毎日欠かさずに私の面倒を見てくれていたのだ。もちろん、メイドになっていたメロにもお世話をしてもらっているがなんでこんな私を世話などしているのかが理解が出来なかった。
どう頑張っても理解が出来なかった私はメロに尋ねてみることにした。
するとメロは御主人様はあの様なことを言っているけど本当はとても優しい魔族で私も御主人様のおかげで助けられました、だからアーシャお姉ちゃん、もう少しだけでいいから御主人様を信じて下さいと言われるのだった。
警戒心がかなり高いメロがあそこまで信用しているのはかなりの事で私もそれから助けてくれた、魔族・・・いや、天狗のテンガ・ヒノモトさんを信じてみることにした。
そうして私は出来る限りの治療をしてもらったおかげで呪いなどは全て消えたけど目だけはどうしても治ることは出来なかった。
テンガさんはそんな私に対して謝って来たのである。テンガさんのせいでもないのにテンガさんは申し訳なさそうな声でこんな私を謝ってきた。
私はメロの言う通りにこの男性はきっと本当に優しい天狗なのであろうなと感じたこととそんな優しい人の姿が見れないことに悔しかった。
けれどもこうしてくれるだけでも私は満足であった。そんなある日に私達はこの地に伝わる伝説と対峙していた。
それはフェニックス伝説に登場する伝説の英雄に仕えたとされている七竜の一頭、リーフドラゴンであった。
確かにこの地の奥深くに潜んでいると伝説に書かれてあったけど実際に対峙するなんて思いもしなかった上に圧倒的な力に私は先程まで力になりますと言ったのに何もできない事が理解させられた。
だけどテンガさんは大丈夫だから俺は負けはしないと私を心配させないためにわざとではないかと思うぐらいに元気な声で話してくれた。
私はただその言葉を信じて待つしかなかったのであった。テンガさんは激闘の末に何とかしてリーフドラゴンと停戦に持ち込めたのである。
そして私も信じられない事にリーフドラゴンはテンガさんの事が気に入ったらしくどんな願いでも叶えてくれるというのだ。
そう、世界征服と言うこともできるぐらいに凄い願いが叶うチャンスにテンガさんは何を願うのかと思っていた。
すると願いはとても信じられない内容だった、それは私の目を治してほしいと言うお願いであるのだ。
これを聞いたリーフドラゴンも治してもらう私ですら信じられないと思っていた。するとリーフドラゴンは私のことを知っているみたいで私が隠しておきたかった事を話したのである。
私が既に処女手はないことに前の領主の妾だった事など全てをテンガさんに知られてしまった。
しかし、テンガさんはそんな事で俺の意志が変わると思っているのかと言って私の目を治して貰うように又してもお願いをするのであった。
するとリーフドラゴンは承諾してこちらに向かってきた、そうして約束通りに目を治してもらったのである。
私は嬉しかったのはもちろんの事、テンガさんにお礼をしたいと思っていた時に私はある人物に一目惚れをしてしまった。
急いでお礼をしないといけないのにと思っているとリーフドラゴンが私が一目惚れした人と話をして私はここで助けてくれたのはこの人だと理解してすぐに真っ赤になり何も考えられずにいた。
その後はあんまり覚えていないけど抱きしめたことぐらいしか覚えていなかった。それからしばらくは私はどうしたらテンガさんを満足させられるかと考えて色々とやってみた。
ある程度は効果はあったけど決定的な事にはならずに過ごしていたある日に私はテンガさんから素晴らしい宝石を貰ったのである。
そう、エルフの求愛行動して好きな人の同じ目の色の宝石を渡すのが最高の求愛とされており、しかも宝石の純度が高いほど良いのにテンガさんが持ってきたのは最高クラスの純度で私は感動のあまりに泣き出してしまった。
するとテンガさんは大丈夫と心配そうにして声を掛けてきてくれたけど私はうれしくて泣いているだけですと答えた後にそれでは今夜、向かいますねと伝えて私は勝負服を取り出してその日の夜、テンガさんの部屋を訪ねた。
最初は寝ているのかなと思ったけど起きている感じをしたので布団の中に入り込んでテンガさんを誘惑していると我慢が出来なくなったテンガさんに美味しく頂かれました。
そしてその翌日に目が治ったら私が気に入っている景色を二人で見に行こうと約束していた事をテンガさんは覚えておいてくれていたみたいで二人で行かないかと誘われた。
私は喜んで一緒に向かった、そこで私はテンガさんと仲良く話をしながらゆっくりとしているとテンガさんは疲れが溜まっていたみたいで眠たそうにしていたので私が膝枕をしてあげますと言うとなら言葉に甘えさせてもらうと言ってから私の膝で横になった。
するとしばらくしたら寝てしまったらしく寝息をしていた。私はその光景を見て静かにテンガさんに伝えるのだった。
「テンガさん、私に光をくれた愛しい人であり、私の王子様。こんな私ですが末永く宜しくお願いしますね」
そう言って私は優しくテンガさんを撫でてあげるのであった。
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