第15話、城攻めは下策、心を攻めるのが上策

俺はエルフたちに俺が統治するようになったらこのような事をすると満遍なく元盗賊エルフを通じて伝えた。



するとあるエルフがでも本当に魔王は貴方を統治者としてくれるのかと心配している声が上がったので俺はある証拠を出したのであった。



それは魔王様と俺の契約書であり、魔族でこれを破った方には魔神から裁きが落ちる事で有名である。



実際に近年で契約書を破った元四天王の一人が無残な姿で殺されていたので普通に破ったら危険であった。



昔なら魔王が破って魔王まで殺されたと言う言い伝えが残るほどに伝説の言い伝えとして語り継がれている。



その事は魔族限らず人間にエルフなどの種族まで伝わっているのでこれを見せ、安心させた。



ついでにここには絶対に兵は貸さないからとも書かれてあるので援軍は望めないことも読めば理解できるけどエルフたちに魔族語を理解出るものはいなかったのでそこは安心していた。



理解できる者がいたらもしかしたらこちらに寝返りなどしないエルフも出てくる可能性もあるからな。



しかし、こちらもエルフ語を理解していないのもまた事実、簡単な単語ぐらいなら俺も覚えたけど会話となるとそううまくは行かない。



本当に元盗賊エルフたちには感謝をしている、通訳って真面目に欲しいものなんだなと改めて感じるのだった。



そうして何とかして信頼をされて俺は手始めに食事を与えてから俺の統治に関して元盗賊エルフにお願いをした。



そこでとんでもない事実が分かったことがあるが元盗賊エルフの一人がこの場所、出身だと言うのだ。



そのおかげで予想していたよりも早めに信用されてもらうことに成功した。



その後は元盗賊エルフに今の現状はどのようになっているのかを詳しく尋ねるように言うとすぐに行動してくれてそれで会話しているだろうけどその会話があまりにも良くない内容なのは顔色を見て理解した。



どのような内容なのかと話が終えてこちらに来たが明らかに表情が良くない顔をして話を始めた。



その内容はこの領土を治めている悪徳貴族が村の美人でも集めて自分の屋敷に集めていると言うのだ。その中に長老の愛娘もいると言うのだ。



どうやら長老の愛娘はかなり町の者たちから人気があり美貌も優れており性格も良いらしい。



なるほど確かにそれならば人気があるのも納得がいく。そして町が飢饉状態になった時に税金の代わりに連れて行かれてしまったと言うのだ。



それを聞いて話通りの性格が良いエルフなのだなと考えていると泣きながらメイドとして俺は雇い、元盗賊エルフだった者が抱きつきながらお願いをしてきた。



「御主人様、お願いします。どうか、私にとっても大切な姉みたいに優しくしてくれたアーシャ姉ちゃんを助けて下さい。私は一生、御主人様の元で働きます、どんな命令も受け入れます、お金もいりませんから・・・お願いします、私の願いを聞いてください」



そうして最後は土下座をしてお願いしてきたのである。そしてそれを見た町の者たちも泣きながらお願いをしてアーシャと言う娘を助けてほしいと土下座をしてきたのだ。



かなり慕われているな、これを上手く使えばこの町の者たちを味方に出来ると直感がそう言ってきたので俺は少しばかり時間をおいてから答えを出した。



「皆の者!予定を早めになるかもしれないがこの地を治めている領主の屋敷を夜襲してアーシャを始めた囚われている者たちを救いに向かう。これから強行軍で向かうぞ」



俺は部下たちに覚悟を決めた声でそう伝えると部下たちは御意と言って答えた。



それを聞いた俺に仕えているメイドエルフは泣きながら感謝をしていた。でも俺がただの善意で助けると思っていたのか、違うなのになと思いながら見ていた。



そこまで性格も良く、見た目もかなり良いなら俺の女にしようとしているに決まっているのにそんなことも考えられないとは哀れだな。



・・・まあ、他人や子供だった時に面倒見てくれる善意があるやつだから特別に性的にすぐに襲わないでおいてやるからそこは感謝をしてほしいかな。



さて、そうと決まったら俺たちは全軍を率いて地元のエルフに導かれてこの地の領主がいる屋敷に到着した。



見た目はかなり豪華になっておりどれだけ民の血税を使っているのだと見ているだけでも怒りが湧き出てきそうだった。



この屋敷を見ると前世で俺を陥れた政治家と同じ様に見えて余計に怒りを抑えるのに苦労しながら潜入の機会を伺っていたら地元のエルフが警備員の前に出てなにか話していると思うと警備員共に何処かに向かい道が開けたのですぐに侵入した。



そうして俺は領主がいそうな場所に向かい扉を蹴って開けるとそこには数人の美人エルフにまるでオークみたいなデブデフのエルフがいた。



それを見て分かりやすいほどに悪徳貴族過ぎるでしょうと思いながらも俺は声を上げて話を始めた。



「俺の名前はテンガ・ヒノモト、魔王様に仕える貴族の一人だ。魔王様の命によりこのエルフの国を攻略しに来たがお前は何をやっているのだ。ここまで敵が来ていることにも気づかずに遊んでいるとは同じ貴族として情けない」



名乗りを上げながら素直に心から思ったことを口に出して話すと相手はブヒーと変な声を上げてきて怒っていたが俺は普通のエルフならイケメンが多いはずなのにこのエルフはここまで醜くい姿になるとは堕落は恐ろしいな。



さて、まずは聞きたいことがあるからそこから聞くとしようと考えていた。



あの豚みたいになっている悪徳貴族に話しても答えてくれそうもないので近くのエルフにお願いしようとして通訳をお願いと言っても黙っていたのでどうしたと話すと震えながらあるエルフを指した。



指した先にいたエルフは両目が完全に無くなっており無残な姿に晒されていた。いくら悪徳貴族でも限度があるだろうと俺がそう思っていたら信じられない言葉を耳にした。



「アーシャ・・お姉ちゃん、嘘だよね。お姉ちゃんの訳がないよね」



完全に混乱しているけどあれがそうなのかと思っていると両目がなくなっているエルフがこちらの声に気がついて話してきた。



「その声はメロちゃんね、どうして貴女までこんな所にいるの。早く帰りなさい、ここにいれば貴女も苦労してしまうから・・・辛い目に遭うのは私だけで構わないから」



それを聞いてメロはなんで・・なんで誰よりも優しいお姉ちゃんがこんな目に遭わないといけないのよと泣きながらその場で崩れた。



それを見て俺はなるほど話以上に性格が良い、エルフだなと感心しながら俺はデブデブの悪徳貴族に対して怒りを滲み出でいる声で伝えるのだった。



「お前、俺の逆鱗に触れた以上は死ぬぐらいの覚悟は出来ているだろうな」



良くも俺のものにする予定のやつに傷をつけたな、つまりは俺に対して侮辱、すなわち見下しをしやがって敵だから苦しませてから俺に対して楯突いたことをあの世で後悔をしてやると心の中でそう決意をするのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る