第6話、ヒャッハー、武勲を稼ぎ放題だぜ(保身ために頑張ります)

そう、今現在に準備している砦を丸ごと罠にする空城の計とは別にあの待ち伏せをされていただろう場所にも俺はあそこで作戦を閃いていた。



谷間に爆弾を設置してその上で谷間の入り口を落石で防げばこちらに被害なく多くの敵兵を倒せるじゃないかと閃いた。



我ながら良くぞ、思いついた作戦を出してくれたのかと喜んだ。そうして部下たちにはそれを成し遂げてもらった後に戦場から離脱をしてもらう。



その理由として2つほどあるのだ、その一つはこれ以上に戦死者を出したら魔王様からなんと言われるか分からないので俺の部隊だけでも戦死者を出さずに帰さないと下手にすれば死刑になってしまうからな。まあ、簡単に言えば保身だ。



そうして2つ目が殿として俺だけ残って戦えば功績が独り占めにできるからな、そしてより多くの敵兵を倒せば出世こそは無理かもしれないけど罪に問わられる心配はなくなるからな・・・あれ?これも保身だな、クックっクっクック、とうとう悪党らしくなってきたなでも小悪党感が漂っているけどそこは仕方がない。



さて、砦の罠の設置も終えたことだし休んでいる部下達を起こしに行きますかと思いながら起こしに向かい、その後に広場に集めて今後の作戦を伝えた。



「皆の者にはもうこの戦局が良くないことは知っていると思う。そして現在の戦力でこの砦を守ることは不可能と判断して放棄にすることにした。しかし、そのまま国に帰還しても笑われるだけであり、そこで敵が仕掛けてきた谷間で同じ様に罠を仕掛けてやり返した後に国に帰還をするつもりだ、良いか!」



そう言うと部下のみんなが御意と言葉で返してきてやる気は満々だった。良し、士気はそれなりに高いなと感じて俺たちは目的の谷間に辿り着いた。



そこで谷間に多くの爆弾を仕掛けては土に被せて分からなくさせてから谷間の上に待機して敵の到来を待っていると遠くから大軍勢がこの谷間に向かいながら進軍をしていた。



あの大軍からにして1万5千ほどは残っているなと感じ取れた。それだけにこちら側がなすすべをなく打ち倒させたことは容易に想像できる。



だからこそ、向こうは油断をしている。あれ程の大勝利をした後にすぐに戦いが起きるとは夢にも思っていない、ならばその心の空きを突くしかない。



俺は軍勢が谷間に入りきったのを確認して合図を送り、作戦を始めたのであった。



まずは落石で谷間から逃げ出すことができないようにさせてから炎の魔法で谷間に向かって一斉に発動させて撃った、すると隠れていた爆弾が一斉に爆発を始めてそれからは連鎖のように次から次へと爆発した。



それを確認して俺はすぐにナオに命令をするのだった。



「良し!ナオ!!作戦通りに部隊を率いて戦場から離脱した後に国に帰還をするのだ。俺は敵に突撃をして陽動する、その間に上手く逃げ延びるのだ」



「隊長!?テンガ隊長だけで陽動するのは無茶です」



それを聞いた部下の一人が心配そうにして言ってきたので俺はその部下に対して伝えるのだった。陽動は一人で十分だと伝えてから敵に向かって突撃をした。



それを見たナオは俺の指示にしっかりと守り部隊を率いて戦場から離脱を始めた。これで後は俺が頑張るだけで誰にも功績を譲ることはないので必死に戦うだけだと思いながら天狗らしく飛びながら戦いをしていた。



敵は必死に魔法で弾幕を張ってきたけどそのような甘い弾幕では俺に当てることは不可能だよと思いながら次から次へと倒してはまた次にと戦いをしていた。



しかし、倒しても倒してもどんどん現れる敵兵に流石に疲れが出始めていた。流石に避けながら戦いをすれば体力を多く失う上にこちらは一人だから仕方がないかと考えた。



しかし、敵を千以上は打ち倒した事に部隊も無事に退却できたので俺もひとまずはノルマはクリアしたかなと思いながら飛んでその場から離脱をするのだった。



それでも俺にはもう一つの作戦があり、それを実行するために砦の近くに身を潜ませて夜になるのを待っていた。



夕方頃には敵兵が砦に戻り現状を知ったのか絶望の声が上がっていたけどやはり、疲れているのかそのまま砦で休む事にしたらしい。



それを確認できた俺は良し良しと思いながら昼間と同じ様に爆弾に火をつけたのだった。すると爆発が連鎖で起こり始めた。



爆発は止まずに続き、戦果は確認は出来ないけどここまですれば被害は大きいだろうからこれ以上はとどまる理由はないなと俺も魔王様がいる場所に帰還を始めるのだった。



俺ながらよく頑張ったと思っているよ。味方が殆ど全滅して生き残った者たちで一矢報いることもできたのでひとまずは良しだろう。



後は処罰されないように祈っておく事に馬鹿にした者たちをその後に見下す為にも準備をすることにしよう。



全く、軍勢が殆ど壊滅するって信じられない事だったけど相手に勇者とかもいたのかと考えたが今では分からない。俺が分かることは魔王軍四天王の一人が亡くなって・・・上の立場が一人ばかりか多くの貴族も亡くなったから見下させる存在が減ったからそこら辺は最高かもな。



さて、これほどに失った戦力をどうやって魔王様は補うつもりなのかなと思いながら魔王城に戻るのだった。

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