第4話、最高の上官(他者視点)

自分たちは当たり前が来ないどこにでもいる魔族の一人だ。今日も魔王様のために頑張っているがそれが果たして報われるかどうかは知らない。



いや、報われることもなく死んでいくのがほとんどだ。自分もそうなるだろうと思っているがどうする事もできない。だだ、来る運命を受け入れる事しかできなかった。



そうして自分たちは新たな隊長の下で働くことになった。噂だと強者たちを色々と倒している上に凶暴と聞いていたので怖いなと思いながら隊長と顔会わせをしたのだった。



しかし、新たに来た隊長は噂とはかけ離れた見た目をしておりとても優しそうな感じだしていたけどもしかしたら見た目がそうなだけで中身が酷いとも考えられたので警戒していると隊長が舞台の状況を知りたいと言ってきたので自分は素直に状況を報告した。



すると隊長が祝い金だと魔王様から貰ったお金をすべて我々に与えてくれたのだ。こんなことは生まれて初めての体験だったので周りの者たちも自分と同様に混乱を起こしていた。



一体、何が目的なのであろうかと考えても俺たちには理解が出来なかったがこれで家族など養う事もできて生活も出来るとみんなの士気は上がっていた。



もしかしたらこの人はこれまでの人とは違うかもしれないとみんなが期待をしていたある日に自分達の隊に出陣命令が下されて進軍を始めたが自分はそこで信じられない光景を目にした。



それは隊長であるテンガ様も我々と同じ様に自ら支度をして馬などに乗らずにまるで我々と同じ様にして進軍をしていた。



他の隊長クラスの者たちは馬に乗り移動をしていたのにテンガ隊長は自分たちと一緒に進軍しており食事のスタイルも上層部に用意される食事ではなくて自ら作ったものを持ってきていた。



しかもそれは食べられるけど魔族どころか人間でも不味いと多くの人が答える納豆だった。納豆を食べる人は貧しい貧民層しかおらず兵士の自分たちでももう少しばかりはマシな食事をしているのにとみんなで感じてみていた。



しかし、テンガ隊長は何事もなく平然と食べていた。それは隊長は貧しい貧民であったことにその事を忘れない為にもやっているのかと思うとテンガ隊長に親近感を湧いたことは言うまでもない。



そうして進軍しているある日に自分は足に膿ができてしまい、痛みのあまりに座り込んでしまうとテンガ隊長がどうしたと言ってきたので自分は足に膿ができてしまいましたと辛そうに報告した。



すると確かにこれでは駄目だなと言ってから膿の場所に軽く傷口を作り膿をテンガ隊長が自ら吸っては吐き出して取り除いてくれたのである。



普通では考えられない事である、隊長クラスの者が兵士みたいなものに治療してくれるなんて話は聞いたこともない。それなのにテンガ隊長は部下の自分のためにと嬉しくて静かに泣いており周りの者たちも感動したのであろう涙を流していた。



そしてテンガ隊長は自ら用意していた薬を塗ってくれてからこれなら歩けるようになるだろうと言われて自分は泣きながらはいと答えた。



ここまでかつて部下に優しくしてくれた者はいただろうか、少なくても自分は聞いたことはないと断言できるほどにテンガ隊長は優しかった。



そうして夜になると隊長たちは専用の小屋に親近感寝泊まりするはずなのにテンガ隊長だけは兵士たちと共に外で寝ているのだ。しかも雑魚寝で寝ておりお金がない最下層と同じ様にしており自分はこの隊長なら命を懸けても良いと思うぐらいに自分たちは感動をするのだった。



そしてテンガ隊長は戦いになれば誰よりも勇敢に戦いをしておりそれは言葉に表すなら最高の上官と言えることだろう。自分たちはまさに幸せなのかもしれないなと思うぐらいであった。

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