第7話「励ましの言葉」

レッスン再開後は杉野さんとの関係も徐々に回復していった。告白の傷は忘れることはないが、音楽への思いを大切にすれば前に進めると気付いたのだ。ある日のレッスンで、杉野さんがある提案をしてきた。


「大学の文化祭で、バイオリンの独奏 what do you think?」


思いがけない提案に驚く。でも文化祭なら杉野さんの好きな人にアピールできるチャンスかもしれない。その思いから、胸を張って「Yes!」と即答したのだった。


「よし、頑張ろうね」。杉野さんの嬉しそうな表情に、少しだけ痛みを感じるものの、音楽への思いにひたろうと決意する。


それからはレッスンもいつも以上に真剣に取り組む毎日だった。杉野さんの励ましの言葉が自信につながっていくのを感じる。いよいよ文化祭目前、成功させるために全力を尽くそう。

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