第6話「夏目の葛藤」
杉野さんへの告白がきっかけで、バイオリンから遠ざかっていた。レッスンの予定日を忘れるふりをして無視を続けていたが、ある日思いがけず杉野さんに出くわしてしまう。「レッスン、再開しない?」と励まされる言葉に、胸が痛んだ。余計に杉野さんのことが恋しくなる。
でもこのままではいけないと思い直した。杉野さんが好きな人がいることを受け入れ、音楽だけは手放さないと決意する。レッスン再開の日、久しぶりにバイオリンを手にした。馴染みの感触に思わず笑顔がこぼれる。杉野さんも「よかったー」とほっとした表情だった。
レッスンを重ねる内に、また杉野さんの演奏に心を惹かれるようになる。告白の傷は癒えないが、音楽だけは前向きに取り組むことができた。「君ならきっと大会で素敵な演奏ができる」。そんな杉野さんの一言が、自信を取り戻すきっかけとなったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます