第26話 同棲がしたい
帰り道。
今日は凛音だけでなく、可憐と陽実も一緒だ。
「先輩、春香と一緒になれた気持ちをどうぞ」
「最高。生きててよかったって感じだ」
「大袈裟すぎでしょ」
「私の正直な感想だ」
「そんな事言いつつ春香も同じ気持ちなんでしょ」
「まあね」
「先輩、恋人繋ぎ好きなんですって?」
「春香!? 何で言ったの!?」
「いいじゃん別に。私たちは友達なんだから」
「でも……恥ずかしいだろ」
凛音の頬にキスをする。
「これで許して」
「春香!?」
「ええええ!?」
「春香は最近、暴走気味だね」
「じゃあ私たちはこっちから帰るから2人のお熱い時間を過ごしてね~」
「うん」
「これで二人っきりだな」
「そうだね」
「絶対この手を話さないぞ」
「私も」
「ふふっ」
「えへっ」
「そういえば体育祭の練習、同じチームになったけど一緒になれるタイミングってどれくらいあるのかな?」
「私もよく覚えていない。去年の事だからな」
「去年の事だからな」
「去年のことって全然思い出せないよね」
「そうだな」
「文化祭楽しみだね」
「文化祭は10月の終わりごろだったか? 気が早すぎるだろ」
「凛音は楽しみじゃないの?」
「もちろん楽しみだぞ」
「私、文化祭とかまだ経験無いから本当に楽しみ」
「春香はまだ1年生だもんな」
「去年の文化祭はどんな感じだったの?」
「活気に溢れていて、学校にいる感覚ではなかったな」
「へえ~」
「もうお別れか」
「また明日会えるから大丈夫だよ」
「でも私はその時間が寂しくてたまらないぞ」
「そんなに?」
「ああ、そんなにだ」
「したいね、同棲」
「その時はお互いの両親に相談しなくちゃだがな」
「でもどっちの両親も優しそうだし案外いけそうだね」
「でもあんまり今考えすぎるとダメって言われた時のショックが大きくなってしまうぞ」
「まあ同棲について考えるのはもうちょっと先でも良さそうだね」
「話題も尽きて、もう今日は本当にお別れだな」
「さっきもそれ言ってたよ」
「本当に寂しいんだ」
「じゃあ、また明日」
「ああ、じゃあな」
夜、ベッドに入り、同棲について考えてみる。
私は結構早く寝るタイプで、まだ今は午後10時30分だ。
「そうだ。ちょっとお母さんに聞いてみようかな」
―――――――――――――――――――
ちょっと相談があるんだけど
何?
私が前言った彼女の事なんだけど……
結婚するの?
話飛躍しすぎ!
冗談冗談
実は、同棲とかできないかなって……
同棲? その彼女と?
やっぱりダメだよね……
良いんじゃない? でもそれは私たちだけで決めることじゃないし、向こうの家族にも相談が必要だよ。
だから、また明日、凛音にも話しておこうかなって
話、うまくまとまると良いね
うん。ありがとう、お母さん。
私はあなたの母親だからね。いつでも相談乗るからね
本当にありがとう。私はそろそろ眠くなってきたから寝るね。
健康的な生活を送ってるみたいでお母さん安心。
おやすみなさい
おやすみ、私の可愛い春香。
―――――――――――――――――――
同棲、春香と同棲。
私は今日別れる前、あんまり考えすぎたらダメって言われたときに~みたいなこと言ったが私の方がよっぽど考えすぎな気がするぞ。
とはいえ、考えずにはいられないよな。
春香だってきっとそう思ってるはず。
まあまだ家族に相談する決心がつかないから、もう少し日を置いてからにしよう。
別に家族が厳しい人ってわけでもないのにな。
私は臆病な人間……吸血鬼だなと思いながら眠りについた。
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