第16話 トランプ対決
「はっはっは、また私の勝ちだな」
あれから何度か続けたが全敗だった。
悔しい。
でも、凛音が勝って嬉しそうにしてるところが見られて私も嬉しい。
「そういえば、私はトランプを持ってきたぞ」
「お、いいじゃん、やろやろ」
凛音がリュックからトランプを取り出す。
「トランプなら色々できると思ってな。一応持ってきたんだ」
頭をフル回転させ、凛音に勝てそうなゲームはどれなのかを考える。
色々考えた結果、ポーカーが最適だと判断した。
「凛音、ポーカーやらない?」
「いいな、まあ私はルール知らないけど」
「じゃあ私が説明するね」
「ありがと」
ポーカーのルールを一通り説明し終わった後、お互いカードを5枚配り、ゲームを開始する。
「おっ、結構強いかも。私は交換しなくていいかな」
「それは少しまずいかもな。私は3枚交換だ」
3枚交換ということは凛音の手札はそこまで強くないということだ。
勝った。
私はそう確信した。
「勝負だ、春香」
「いくよ、凛音」
お互いが手札を公開する。
私はジャックとクイーンのフルハウス。
果たして凛音の手札は……
「私はキングのフォーカードだ」
え?
私が負けた?
この手札で?
「絶対勝ったと思ってたんだけどなあ」
「ふふふ、勝利の女神は私に微笑んだようだな」
「凛音、もう1回やろ!」
「そうだな、次も私が勝っちゃうぞ」
「それじゃ、手札公開するよ」
「こっちも準備できたぞ」
私は1とジャックのツーペア。
凛音はクイーンのワンペア。
私の勝ちだ。
「よし! 勝った!」
「このままポーカー続けるか? それとも別のルールで遊ぶか?」
「神経衰弱がいい」
「よし、やるか、神経衰弱」
テーブルの上にカードを並べ、準備を完了する。
「じゃんけんぽん!」
「ぽん!」
「やったー、私の勝ち。じゃあ先行もらうね」
「うーん、ここと……ここかな」
捲れたのはハートの4とスペードの7だった。
まあ、まだ最初の1回だから仕方ないよね。
「次は私の番だな。ここと……まあ、ここにするかな」
凛音が捲ったのはクローバーのキングとハートの6だった。
やっぱ最初の方はなかなか揃わないね。
ある程度ゲームが進んで私が18枚、凛音が20枚カードを取った状況になった。
ここでようやくゲームが大きく動き出す。
「どこにしよっかな。ここと、もう1つは凛音が選んでいいよ」
「今残っているカードはほとんどが一度も見えていないな。どれを選ぶべきか迷うな」
「一思いにやっちゃお」
「じゃあ……このカードで」
2枚のカードを捲るとハートの7とダイヤの7だった。
「よし。じゃあ次はこことここ」
さらに成功し、カードを取る。
そのままフィーバータイムは続き、残りのカードを全て回収した。
「やったー、私の勝ちだね」
「なかなかに良い運だな」
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