第11話 4人で海水浴

 4人で海に入っていく。

「海って結構冷たいんだな」

「そうだねー」


 「ていやっ!」

可憐が私に向かって水をかけてきた。

「ちょっと可憐、冷たいよ~」

「先輩にもとりゃ!」

「やったな~お返しだっ!」

「わあっ、冷たいです先輩」


 海にいったら皆必ずやるであろう水のかけあい。

私はたしか学校とかのプールでもやったことあったかな。


 陽実は浮き輪のうえで水遊びする私たちを見ている。


 「陽実も一緒に遊ぼうよ~」

「ええ~冷たいじゃん」

「じゃあボールで遊ぶか?」

「いいですね、それなら私も参加します」

「じゃあ皆でやろっか」





 「先輩、パス!」

「うおっ」

運動が得意な凛音でも水の中に入っていると感覚が違うようで少し苦戦している。


 「春香!」

凛音が私の方へとボールを投げてくる。

「あ痛あぁっ!」


 私は前にも話したが運動神経が悪い、そんな私に飛んできたボールを水に浮いた状態でキャッチできるわけもなくボールを見上げた顔面にクリーンヒットする。


 「春香! 大丈夫か!」

「だ、大丈夫、だよっ、あはは」

目に涙をにじませながら答える。

「ごめんな、もっと近くから投げるべきだったな」


 でもここまで狼狽うろたえてる凛音は初めて見た。

こんな凛音が見られたと思えばこの痛み

も……いややっぱり無理だ。

痛い、痛すぎる。


 「ちょ、ちょっと上がるね」

「ああ、私が連れていくよ」


 凛音に連れられて砂浜へ上がってきた。

痛い、痛いけど凛音が本気で心配してくれてるのがすごく嬉しい。


 「凛音、そんなに心配しなくても本当に大丈夫たから」

「本当か? 急に死んだりしないよな。脳震盪のうしんとうがなんやかんやとか」


 凛音は軽くパニックになっているような気がする。

「落ち着いて、私は大丈夫」

そう言って凛音を抱き締める。


 「そ、そうか……わかった」

凛音が嬉しそうな表情を頑張って隠そうとしている。

頬が真っ赤だよ。


 とても良い反応だ。

そそられちゃうね。


 「私は後で戻るから3人で遊んでて」

「わかった」


 その後は特にアクシデントなどもなく海水浴を4人で楽しんだ。


 4人で帰りの電車に乗る。

凛音は墨田に行ったときと同じように私の肩に寄り付いて眠っている。


 今日は凛音の可愛いところがいっぱい見られて良かった。

凛音は終始水着が恥ずかしかったようで、よく私に隠れていた。


 凛音は抱き締められるの好きなのかもね。

もし好きならもっとしてあげたいな。

そしてそのまま関係が進展していって最終的にはキスなんかしちゃったり?


 キャー。

想像しただけで気持ちがたかぶっちゃうね。

好き好き、凛音大好き。







 







 

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