第9話 夏休みといえば
今日から夏休みだ。
せっかくの長い休みだし、凛音ともいっぱい遊びたいな。
海に行ったり、花火を見たり、お楽しみがいっぱいだ。
でもやっぱり、勉強も必要なんだよね。
私はあんまり頭が良くなく、テストは良くても1教科平均60点というところだ。
良くないだけで悪いわけではない。赤点回避して喜んでいる全く勉強していない成績最下層の人間というわけではない。
そこは勘違いしないでいただきたい。
でも、凛音は毎回400点を越えているらしい。
一体どんな勉強をすればそんな点が取れるのだろうか。
それにしても凛音は2年生なのに1年生の私に勉強を教えてくれている。
私は中3の時に習った勉強をほとんど覚えていない。1年前に習ったことってほとんど覚えてないよね。これはかなりの人が共感してくれるあるあるだと個人的に思っている。
凛音はやっぱりすごい。完璧美少女って感じだ。
最近も数学が行き詰まってるし、今週末にでもまた勉強教えてもらおうかな。
夏休みに入ってからは凛音と週一のペースで遊んだ。
私が凛音に料理教えたり、凛音に私が勉強教えてもらったりした。
そんなこんなで時間はあっという間に過ぎ去り、もう8月に突入してしまった。
「あれ、もう8月になってたんだ。楽しい時は一瞬で流れていっちゃうなあ」
夜、ベッドに入りながら独り言を呟く。
そろそろいい時期になってきたし凛音と友達皆誘って海行きたいな。
凛音にLINEで聞いてみよう。
―――――――――――――――――――――
凛音ー
何?
友達も呼んだから水曜日に海行こうよー
いいぞ
やったー
―――――――――――――――――――――
良かった。
凛音も一緒に来てくれるようだ。
凛音との思い出を増やすため、友達とワイワイするため、私は海に行くことにしていた。
まあでも、もう少し早く誘うべきだったかな。断られたらどうしようって気持ちで胸が張り裂けそうだった。
張り裂ける胸がどこにあるかだって?
うるせえ! 胸が無くても張り裂ける権利くらいはあってもいいだろ!
そんな私に比べて凛音は結構胸がある。
あの胸でビキニとか着たらめちゃくちゃエロ可愛いかも。
春香から海に誘われた……。しかも春香の友達も一緒なのか。私には呼べる友達がいないから少し寂しいな。
そういえば私は水着を持っていないが幸いまだ今日は土曜日だ。
明日にでも水着買いに行くか、しかしどんな水着がいいんだろうか。
春香に聞いてみようかな。
いや、私が海にも行ったことの無い人間……吸血鬼だと知ったらどう思うだろう。
やはり自分で選ぶことにしよう。
凛音はどんな水着着るのかな。
気になっちゃうな。
気になることは本人に聞いてみよう。
―――――――――――――――――――――
凛音はどんな水着持ってくるの?
―――――――――――――――――――――
春香からまさかの内容のLINEが来た。
どう答えるべきか。
―――――――――――――――――――――
春香は何を着てほしいんだ?
ちょっとエッチなやつ(ビキニとか)
わかった
私の友達も来るけど大丈夫なの?
ああ、全く問題ないぞ
―――――――――――――――――――――
全く問題ないと答えたがやはり少し恥ずかしい。
春香の友達だけでなく他の人の目もあるわけだし。
だが春香のためだと思えばまあいいかと思える。
しかし具体的にどんな水着がいいのだろう。
ビキニを検索して調べてみると、結構布面積の少ない水着が出てきた。何だこれは、胸と局部以外丸出しじゃないか。
春香はこれを私に着て欲しいのか……。春香相手でも流石にこれはちょっと恥ずかしい。ビキニの事を調べてから答えるべきだったな。
そういえば、さっき春香が言ってた春香の友達ってどんな人だろうな。可憐ちゃんしかみたこと無いから何人いるかもよくわからないし。
何か……こう、おっとりした優しい人だと良いんだがな。私はぐいぐい来る人が苦手だからな。私の方からぐいぐい行く分には全く問題ないのだがな。
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