第7話 初デート その2

 展望回廊を凛音と2人で歩く。

段々と頂上へ近づいているのが何だかワクワクする。

「今日は来て良かった?」

「もちろんだ」



足場がガラス張りになっているところでも写真を撮ってもらった。



「まるで空を飛んでるみたいだったな」

「そうだね」


 展望回廊を通って展望デッキへ戻る。

そのまま2人でトイレに入る。

「本当にトイレで吸うのか」

「うん、個室ならカメラも問題無いし」

「まあ他に吸える場所無いし仕方無いよな」


 凛音が私が出した肩にかぶり付く。

やっぱり何だか気持ちいい。

この程よい痛みと凛音の息が肩にかかるこの感じ、最高だ。

まるでドMみたいな感想だなと我ながら思いつつ血を吸われる。

いや、私はもしかして意外とMなのだろうか。

なんて考えていると凛音が血を吸い終わる。


 「やっぱり春香の血は最高だな」

「それはよかった」

トイレから出る。

「そろそろ別のところ行く?」

「それもいいかもな」


 スカイツリーから出て墨田区を2人で歩く。

「血を吸われるのって結構気持ちいいんだね」

「ふーん、春香はそんな風に感じていたのか。まあ痛いと思っていないのならよかったよ」




 「あのカフェ行ってみない?」

「そうだな、行ってみるか」



たまたまオシャレなカフェを見つけた。

カフェとか行ったこと無いし、ちょっと緊張する。

「凛音ってカフェとか行ったことあるの?」

「私は無いが、春香はあるのか?」

「実は私も無いんだよね、でも憧れちゃうじゃんオシャレなカフェでコーヒーとか飲むの」

「私にその気持ちはよく分からないな」



 「いらっしゃいませ、ご注意はいかがなさいますか?」

「私はカフェオレにします」

「私はブラックコーヒーで」

「ご注意承りました。それではしばらくお待ちください」

「凛音ってコーヒー飲めるの!?」

「ああ、飲めるぞ、ところで春香はオシャレなカフェでコーヒー飲みたいとか言ってたのにコーヒー飲めないのか?」

「……うん、飲めない……」

「春香はおこちゃまなんだな」

「私はおこちゃまじゃ無いし~、ピチピチのJKだし~」


 「ご注意のコーヒーとカフェオレお持ちいたしました」

「うわ~美味しそう~」

「良い香りだな」


「う~ん美味しい」

「良い味だ」

「このカフェ選んでよかったね」

「ああ、正しい判断だったようだな」



 その後も色々な所を歩き回り、帰る時間がやってきた。

帰りの電車の中で凛音と会話する。

「今日は楽しかったね」

「家族以外とこうして出掛けたのは初めてだったから新鮮な感覚だった」

「また機会があったら出掛けたいね」

「そうだな」


 5分ほど無言の時間が続く、凛音はどんなこと考えてるのかななんて考えていると凛音が私の方に倒れかかってきた。

寝てる、凛音が私に寄りかかって。

凛音は寝顔も可愛い、駅に着くまでは寝かせてあげよう。

ついでに凛音が起きるまで手握ってようかな。

温かくて柔らかい女の子って感じの手だ。


 今日はあんまりデレてくれなかったな、まあチャンスはこれから沢山あるしゆっくりでもいいかな。





















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