2.

橘蒼真との出逢いは大学1年の春から夏に切り替わる頃。


大学の音楽系サークルで偶然同じになり、席が近く、授業でも一緒になることが多く、向こうから話しかけてきた。




「あ、あの、初めまして、じゃなくて、、」


「こんにちは!笑 凄いカタコトですけど笑

 もちろん知ってますよ!橘蒼真さんですよね?」




凄く緊張してて、なんかもじもじしてる、

目もキョロキョロしてて、、




見た目と違って可愛いっていうのが印象的だった。




「あ、はい。

 あの、その、良ければ、えっと、、」


「何でしょう?」


「友達に、なってくれませんか、、?

 あ、嫌だったら別に、、!」


「全然良いですよ!!私も友達あまり居ないので嬉しいです!!」


「本当ですか!良かったです。

 あと、もう1つ、いいですか?」


「どうぞどうぞ!!」


「連絡先交換してくれませんか、、?」


「え逆に良いんですか!?嬉しいです!ぜひ交換しましょう!!」


「あ、ありがとう、ございます。」




急すぎて最初は戸惑ったが、連絡先を交換し、今度ご飯に行かないか、どんな授業が好きか、サークルでやっていきたいことなどを色々話し、一旦別れた。


その後もすれ違う度に向こうから手を振ってくれたり、授業終わりに質問に来てくれたり、サークルでも2人での共同作業が増えていったりし、友達以上の関係になった時、彼が私に告げた。




「彩那、これから生きてく上で、彩那に傍にいて欲しい。

こんな冴えない人間ですが、良ければ、、

付き合って下さい。」




お辞儀と同時に差し出された右手は少し震えてて、力が入ってしまってるような、不安を纏ったような感じだったが、その手をそっと両手で握り、




「こちらこそ、宜しくお願いします。」




と、返した。

その瞬間バッと頭を上げ、泣きそうな顔で抱きついてきた。




「あぁ、怖かった〜、笑」


「ふふ笑 これからもずっと一緒に居てよ?

 彼氏さん?笑」


「っ、笑 守り抜きます!!笑」




とお互いに誓い合ってから4年後。


橘蒼真が失踪した。




守り抜くって、何だったの??


傍にいて欲しいって言ってきたのそっちじゃん。


私、苦しいよ。


なんで変わっちゃったの?、


早く帰ってきてよ。


いつまでも待ってるから、


ねぇ、何処なの_____

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豹変してしまった貴方へ。 金木犀_ @kimmokusei_

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