『白い牢獄』24時間×60日 ~悪いオトナに嵌められブチ込まれた/そこで見たウソみたいな現実と戦慄の恐怖(仮/※下書き連載
精神科入院40日目~「それからキミ(たち)とボクは✖✖な絵をー」/入院『ハロウィン』~
精神科入院40日目~「それからキミ(たち)とボクは✖✖な絵をー」/入院『ハロウィン』~
40日目 ~「それからキミ(たち)とボクは✖✖な絵をー」/入院『ハロウィン』~
それから、彼女たちと毎日3食ずっと囲むようになる。
食事以外の時間も。
それ迄は、彼女たちとは昼夕を共にしていて、朝はサキとだぁくんと食べるようにしていた。
が、だあ裙は年が離れていても親友の山田さんとご飯も日中も一緒に過ごすしていた。
サチと毎朝向かい合って食べるのだけど、分からないように僕が目の前に座ると「プイっ」と体ごと足を組んだまま横を向く。
何か適当なことを喋り、話しかけても「朝から頭使いたくない」とか。
しまいには食事のトレー事持って他に行く始末。
ボクが絶対に行くことの無い、例の同世代のおばさんの所に。
「コイツ本当にダメだ」
彼女は先日、この生活でまた1つ歳を取った。
彼女もまたこの入院生活の常連。
率直に「懲りない子だな。」
前回までは何故入院したかは知らない。
知らないが、今回は親に騙されて連れて来られて入院。
本人曰く「置いていかれた」と。
入院内のシステム知っていたりとか、年下の看護師を前から知ってるから「くん」呼ばわりしてたりとか。
「はい、私ここで今迄それを何度も経験してるから知ってます。」的な何処か先輩風吹かしてたりとか。そんな薄いゴミみたいな知識なのか何処吹く風で飛んでいくシャバで全く役に立たない経験なんか、本当にどうでも良い。
そして、その失礼な対応。
気を使って、一人で食事にさせないようにしてこっちから来たのに。
「何で俺がぼっちにならないといけないのか?」
老害の狂犬から助けても、何をしても襟を正さず「明日朝一緒にストレッチやります。」「机の出しっぱ気をつけます」
やりもせず「何で、やらないといけないのですか?」と、3日坊主にもならず。
幾ら実年齢より若く見られても、良い歳ををしてるだろうに。
(チヤホヤしてくれる男がいるとは思えないけれど、若く見られる事が、この子をダメにしているのかな)
流石にボクもサチには嫌気が差し、どうでも良くなった。
が、今後、彼女にだけは心を鬼にして接する様になる。
朝だけは毎日一緒に彼女と食を囲もうとしていた。
が、それからは、完全に3食あの子達と朝から食べた。
ボクも子どもだが、サチはもっと子ども。
年齢的には大人の女性なのに。
「頑張る」とか「努力する」とか、そのスタート地点の麓にすら来ないサチとは殆ど会話をしなくなった。
バカバカしいというより、言ってる事。やってる事。
割り箸を共同冷蔵庫に入れたり、そこを箸の保管場所にしたり、「自律神経失調症なんです」と言って、体がフラフラして歩けていないのに、常に裸足で常にクロックス。
「体が冷えすぎてるよ」と言ってるのに「わからないんです。感じないんです。」
と、冷凍庫から自分のアイスを出し放ばる。
自分で服を切れないから、看護師の介助が必要で毎日風呂に入れないとか。
退院した30代にして品のない立派なオバサンになった、名古屋から来たこっちの生活に馴染もうともしないハヤシ。
連絡先交換禁止だけれど交換して「ハヤシさんに電話するかな」とか、言ってることやってる事が全て中2病だし、「何時まで中2病づづけてるの?しかも、女性だろ」
一緒モテナイ男子みたく、全てが痛々しくにしか見えなかった。
「どうかしている」
彼女は同世代、同年代のオバサン達と袖を振り合わし、ついこの間迄ここで目の前に座らされた17歳の凶暴な輩が君臨していた場所に戻り、遂に、彼女がそこに座り始める。
精神的に同年代、同世代のボクは目の前にいる若い彼女たちと袖を振り合わせ、キャッキャッ女の子たちとクソみたいな会話をして、フミにはニコッと笑顔。
「その顔止めろ!」ほぼ毎日怒られ、ユーには「⚫ね」「⚫す」と言われ、真面目に「それだけは言うことを止めよう」と、諭し、くだらない変わらない日々の中を楽しんでいく。
『表向きには。』
勿論、出た後の事まで見据えて、誰よりも薬の梅毒の為に自転車漕ぎは小一時間したし、筋トレもした。
体が無いと何も始まらないのだから。
「まっつん、これあげる!」と、フミから口の中が黒くなるお菓子も貰った。
「こんなお菓子あるんだ」と、思いながら自分の体の中に入れるものや、身につける物は全て素材や成分から拘る。
ここに来る前に3年ダウンをして、その直前本当に死にかけた。
二度と、身体をダメにしたくないから。
「その二度とー」を辞めたいから。
が、フミから貰ったお菓子。
一瞬成分が気になった。どんな添加物や保存料を使っているかー。
が、それより彼女から貰ったお菓子。その好意を有難く大事にしたかった。
心を開いてくれてるんだから。
断る事で彼女の大事な『何か』。
ボクと彼女の間で交わる信頼というか。
その『大事な何か』を摘み取りたくない。
その心の芽は、お金で買えないのだからー。
「早いハロウィンだよな」と思いながら、
3人とも口の中が真っ黒になっていた。
「まっつん、舌が割れているよ!」
(「…割れてるかー。」)
この生活に入る前、2年半はダウンをしていた。
最後の半年。60キロはあったであろう体重が一気にストンと落ちた。
恐らく、10キロ以上は落ちていたのではないか。
Lサイズの服がダボダボ。
ロビンフッドの服の様に見えた。
デカすぎて、合わない。
今度は痩せすぎて、170cmはある自分のサイズに合う服が服屋には無かった。
MもLも丈と肩幅が合わなく、しかも痩せすぎている。本当に困った。
その後、起きても体が動かなくなり、動いても稼働時間が段々短くなり、生きる屍。
日に日にゆっくりゆっくり、着実に死に向かっていた。
「栄養が行くべきところに届いていないかー。」
そんな状態になる前から東洋医学の本を読み、舌の状態はこの生活でもチエックをしていた。
入院生活中の風呂も工夫していた。
男子の風呂の与えられていた時間枠は30分。
湯にしっかり浸かる事を心がけている為、30分は短い。
短いが、メリハリ。緩急をつけたい。血流改善と血の流れ。新陳代謝。
差し入れ時に、穴が空いていないぐにゃっと片手で掴めて持てる洗濯カゴを買ってきて貰っていた。
氷を作るトレーも。
共同冷蔵庫で製氷トレーから作った氷をバケツ代わりにも洗濯カゴを使い、風呂に持って行った。
風呂の中で水を入れて「氷水」に。
暖かい風呂に浸かり、更に湯を足し風呂を熱くする。
バケツ代わりの洗濯カゴに足を突っ込む。
時には頭から被る事も。
血管を収縮させて、湯でその収縮させた血管を更に拡張。
風呂上がりには敢えて冷水をかけてしめて、自律神経をオン。
逆のスイッチを入れて、体の暖かさはお湯で締めるより持続する。
見えるところ見えないところでも、誰よりも体を労わっていた。
自分の体も大事だが、彼女達もまた大事で尊かった。
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