精神科入院39日目 ~「え?ここで?」金沢ボカロ部再結成~■

■ 精神科病院入院39日目~「え?ここで?」金沢ボカロ部再結成 ~■


「これ読んで」と、渡したボクの文章ファイル。

短歌、エッセイ、川柳、作文等が書いてあるボクの文芸冊子ファイル。

その中にある同じ石川県の有名ボカロP。

彼への逆追悼文『新・ガラクタのエレジー』 。◀︎逆追悼文とするか?


「絶対、ツマラナイオトナにはならない」

10代の時に固く誓い、オトナにならなかったボクが彼の作品に触れて感じた事。

世に背を向けて歩いた弱くてダサかった10代のボクの話。

彼とボクをクロスさせながら、今と昔のボクをオーバーラップ。

「生きるとは何か?」と、「何を考えているか分からない」今どきの子達に、生きる為に大事な事を全て書いたボカロファンと、これからの未来を作る全ての若い子達への『子どもには分かってオトナには分からない文章』。


傑作。

我ながらとても良くかけた。

「書いたボクがいては、感想まで求められると思い、気を遣って読みにくいだろう。」

それを彼女たちに渡して暫く席を離れた。

その時風呂に入っていたか何をしていたかは覚えていない。

覚えていないが、十分な間を開けた。


暫くして戻ると、彼女たちの目が凄いキラキラしていた。

光っていた。


この文章で、ボクの本当の人となりがちゃんと伝わった。

「頭の中を覗いて貰おう」

「傍から見たらボクも『何を考えているか分からない』って、今も思われているんだから」。

立派な作戦を立てた訳でも無いが、上手く行った。


上手く行ったから、殊更この子達はボクに心を開いてくれた。

だから、本人は「してない」と否定するが、その翌日の朝。


ユーは挨拶代わりに廊下でボクのケツを蹴った。

ボクの尻を蹴った彼女は凄い嬉しそうだった。

嬉しそうだが、「ここでするのは、ユーの退院が遅れるから良くないよ。蹴りたりなら、出てからどれだけしても良いよ。」


「単なる可愛いでは無い女の子」

そして、

「この子、天才なのか才能なのか何かは分からないけれど、ボクより凄い大きな才分を持っている子」

仲良くなり、更に彼女の話を聞く事になるんだけれど、彼女の置かれている生活環境や生い立ちや今迄の状況以上に、話の端々に何かは分からないとてつもない大きさの片鱗を感じる。

彼女の話は落ちきっていないのに、話がポンポン変わり、その度にボクが腹を抱えて笑うんだけれど、彼女のLINEの話。


今迄付き合った彼氏たち。

「別れた後、『〇ね』という名前に代わり、『〇ね』がLINEの下に沢山溜まっていくw」

「それ、やりたいだけだろw」と、腹を抱えて爆笑。


「ちゃんと受け止めれる人がいなかったんだろうな」

具体的な数迄聞いていないものの、付き合った人の数が多いだけが素晴らしいとは思わない。

「かなり歳の離れた人と付き合ってみたら?」

包容力のあるような意味で言ってみたが、正確には言わなかった。

「私、ダメな男に虐げられたいから。」

束縛なんかでは無い、亭主関白何かでも無い、もっとその上。その上のキツイ奴。

日頃から、精神的に超キツくズタボロに言われたりダメにされたい、と。

それを聞いた時は良く理解出来なかったが、今なら少しは何となく分かる。


自分の存在ごと否定され、身も心も思考ですら、放棄する事での自分事の避難というか、自分という人間のエスケープというか。


ボクが分かっても分からなくても、そんな事はどうでもいい。

それは、ボクが大嫌いな「オレならこうする」という分かったフリをする安いツマラナイオトナと同じ類のものにしかならない。


が、それをくり返しているから「〇ね」が沢山LINEの下に溜まっていくんだろうに。

「少し何か変えたら、この子凄く良くなるのに。」


きっと、今迄彼女のスケールをちゃんと受け止めてくれる人が誰もいなかったんだろう。

大人も学校の友人や同級生達も。

ましてセンセイ何て自分の食い扶持も稼げれず、教え方が悪くても安泰。

経済の全ては「ニーズ」。

企業活動も。

「ニーズが何か?」とすら当たり前の事が分からない「顧客目線」で物事を考えられないダメなオトナ。

カテゴリーが上がれば上がる程腐りの塊のウザイオトナが表れる。


ボクはオトナになる事を10代で放棄をした。

何よりオトナにならなかった人間が目の前にいるのだから、彼女達に限らず町を歩けば犬は寄ってくるし、公園にいると小さい子たちがボクの前にワーッと集まって来る。

なら、彼女がボクのケツを蹴るのも当たり前のことでしかない。


彼女は嬉しそうだし、こっちもそれを分かっているのだから。

同じ者同士で呼吸をしているのだから。

不良は不良で集まり、ギャルはギャルで集まる。

ボクも彼女も彼女みたいによく分からない子達もよく分かる子でも、汚れずに咲いてるんだから。花は花でしかない。

安い茶番でも誰かを傷つけるだけのガチでもない。

不意に仕掛けられてもお互い信用でしかないんだから、裏切るとか裏切られたとか、そんなどうでもいいチープで陳腐な関係よりチアーズな信用で成り立つ本当のプロレスというか。

花は花で集まり、花は花に囲まれ花として花は咲く。花は花として。


ただ、それだけの事。

こんなボクより凄く才分を持っている子が生き生きしているんだから、人として花としてこんなに嬉しい事は無い。

人は、汚れずに咲く。生きとし生ける者が、この世で素晴らしい。


確かボクからだったか。

「ボカロ聞く?」

3人とも

「聞く!」

と、即答。


「何聞く?」

ボクはたまらず

「定番が好き!ハッピーシンセサイザーでしょ。Tell your worldでしょ。ボカロPさんで言えばlivetuneでしょ八王子Pさんでしょ。それから…」

フミは

「イーアルカンフーに…」

ボカロと言えど星の数程曲は沢山ある。

ボクの分からない曲が出てきたのか、何だっかよく覚えてない。

ユーは好きだけれど、確か答えてない気がするし、蓮くんとはその後、Junkyのメランコリックの話をした覚えはあるし、蓮くんのWALKMANでそこに入っていたボカロ曲を何度も楽しませて貰った

「まっつん、ASTOLS聞くといいよ」とも進められた。


が、ここまで話した合計時間。

わずか1分。


「ボカロ部作る?」

と、まさか、この入院生活中にボカロ部が生まれた。

正確には、再結成。

活動は、緩く楽しく。

ボカロ好きが、ボカロでなくても気の合う仲間と楽しむという活動。

なので、それ以降4人でボカロ話は一切していない。

ボカロ好きとだべって楽しむんだからそれで良い

オトナにならなければいけないの?


「大人になって頂戴ね。ならなくていいよ」


© 曲 「ハッピーシンセサイザー」作詞 easypop 作曲者 easypop


今のボクならこう答える

「まっつん、オトナにならないといけないの?」

「オトナにならなくて良いよ。『人』としてどうありたいか?だよ。人として目指すところを毎日頑張ったらオトナにならずに『大人』になれるんだよ。きっと。オトナではないから、毎日最高に楽しいよ!」って。


「だぁくんも入る?活動はその場で漫画読んで入れば良いよ」

「まっつん、ボクはいいや。」

「そうか、分かったよ!」

だぁくんは、男性アイドル好きだから無理強いはさせない。

漫画読んで食っちゃべれば良いから、そこで「金沢創作部」も誕生。


繋がれる人と繋がる。

どちらも。

ツマラナイオトナも若くてもツマラナイ者はボクが弾く。

ツマラナイオトナもボクが大嫌いなバカな金沢市とか公務員とかプライベートで中途半端な役人や中途半端なオトナも来ないだろう。

芽を摘んだり、可能性があるかどうかよく分からなくてもその芽を否定するのがオトナ。


違いが分かるのが大人。

『分からなくても分かろうともしない事を分かる』のが「大人」であり、それが『人』。

花は花で繋がるだけなんだからー。

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