第2話 中学受験で全落ちした人

僕は、知ってる人が多いと思うけど、中学受験したことがある。実は全部落ちた。一校でも受かってたら多分ここにはいない。

あの頃は、人前では泣かないようにしていたけど、家では毎日大泣きしていた。でも、学校でも塾でも、絶対に弱音は吐かないようにしていた。僕のちっぽけなプライドだったんだろう。

高校受験するときに、中学受験の時と同じ学校を受けるか悩んだ。

もし全落ちしたのが高校受験だったら、と考えると、どうしても受ける高校のレベルを下げたくなってしまう。

でも、勉強が疎かになってしまって、悩むまでもなく、レベルを下げることになった。今の僕は、細かいことをいろいろ後悔している。もう遅いのにね。

中学受験の時と違って、今は目標が無いんだろうな。もっと上の高校を目指したいと思ってないから、勉強することに意味を感じられない。こんな辛いことやって何になるのかな、とどこかで思う。

親は昔の僕の成績を知ってるから、頑張ればもっと…って思ってる。頑張らせようとはしないし、ただ放っておかれてるんだろうなって寂しく思うけど、もっと出来る人じゃないときっと僕のことをちゃんとは見てくれないんだろうな。

せめて勉強以外の何かができればよかったんだろうけど、僕、実は副教科の内申オール2で。運動音痴だし、家事出来ないし、歌は下手だし、楽器も何もできないし、機械には弱い。もうどうしようもないよね。ああ、もちろん絵心ないよ。何かの絵を描いてと言われたら僕絶対漢字で「絵」って描くもん。


三者面談怖いな。先生と親から何言われるんだか。

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進路希望について話し合う中学生 花宮風月 @windymoon

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