雪が積もっている

「おぉ、雪が積もってきたな」


 俺は窓の外をカーテン越しに覗き、そう呟いた。

 せっかくだし、あいつにも写真撮ってこの雪景色、見せてやるか。


『真白、今めっちゃ雪降ってるぞ。お前ん家の周りはどうなんだ?』


 俺は真白に写真と、メッセージを送った。

 すぐに既読がつき、返事が返ってきた。


『おー雪斗。俺の家の周りもめっちゃ降ってて、積もってるぜ。

明日学校休みにならねぇかな〜』


 文面からワクワクが隠しきれていない。まぁ正直俺も明日学校が休みにならないか

期待していないわけではない。

そもそも、俺たちが住んでいる地域は雪があんまり降らない場所なので、明日学校が

休みになる、という可能性もある。


『俺もちょっと期待はしてるが、あんまり期待しすぎない方がいいぞ。学校がないかなって期待してたのに、学校ありますって、通知があったときの絶望感半端じゃないだろ』


 俺はそう真白に諭す。


『やけに具体的で笑うって。お前そういう経験あるのか?』


 真白がそう返してきた。こいつ、画面越しでも何故か笑っている姿が

目に浮かぶ。


『あるさ。あれは絶望的だったな』


 俺はあの時のことを鮮明に思い出しながらメッセージを打つ。


『へー……ま、あんまり期待せずに待つとしますか……』


 やたらと三点リーダー多めの文章なのが気になったが、俺は軽く流し


『まぁな。それよりさ、雪遊びってやったことあるか?』


 と真白に質問する。


『雪遊び? 雪遊びを最後にしたのは確か小学低学年の頃だったっけな』


 真白はそう返してきた。


『あーやっぱりそうだよな。俺も最後に雪で遊んだのは小学校低学年の頃だわ』


 やっぱり皆小学生の頃が、雪遊びするピークだよなぁ。


 そう思っていたが……






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