第11話

二時間目のチャイムも鳴った頃、大体の場所の紹介をしてもらった彩華。

 今度はどこに連れていかれるのかと思っているとたどり着いたのが、

「……生徒会室?」

「たぶんねー、今日はここにいるかなと思ってね!」

 ガチャりとなんの躊躇いもなく黒紅がドアを開けて中に入る。

 神無月と東雲も何も気にしない顔をするので入っていいものなのか……と思いながら中に入れば、ロイヤルブルーの壁に白が輝く上品な家具が置かれてる。

「うわ……凄い綺麗な部屋……」

「生徒会は全生徒が校内異種格闘技大会にて上位の成績を納めた方が務めているんです。特に会長はこの校内で優勝を納めていますのでかなりお強いんですよ」

 神無月が説明してくれるなか、東雲と黒紅はソファの方へ向かっている。

「あの、神無月……さん?」

「お好きにお呼びください」

「えっと神無月、二人はなんでソファに行ってるの?」

「それは行ってみれば分かりますよ」

 ニコッと笑う神無月を見ても分からず二人のいるソファの方へ足を運べばちらりと誰かの足が見える。

 (誰か寝てる?)

「月白さん……」

「悠ちゃーん!おーきーてー!」

 ゆさゆさと女の子二人に揺らされてるいる男の子は一言で言えば美形だ。

 輝く白い髪は儚いイメージを醸し出している。しかし服装はかなりだらしない、ネクタイはゆるゆるでボタンも第二まで開けていてズボンもシワだらけだ。

「ん……んぅ……」

 モゾりと動いたかと思えばその腕が黒紅の方へ向かいそのまま引き寄せる。

 体制を崩した黒紅が男の子の胸の上にのしかかるような形になるがそれでも黒紅達は何も気にせず起こそうとしてる。

「あの、黒紅……ああえっとお嬢?は大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ。そろそろ起きるでしょうし」

「ん……んん……」

 そう言っていると男の子が目を覚ましたのか目を擦り少しずつ開けていく。

 鮮烈な赤い目がやけに目につく。

「……真宵……?おはよう……」

「うんおはよ、悠ちゃんまた授業サボってたでしょ〜もう、生徒会長なんだからしっかりして欲しいんだけどなぁ」

「美羽も……おはよう」

「おはよう、ございます……?こんにちは?」

 仲良くお話してる三人からお花がポンポン出てるのを感じる。

「ず、随分仲がいいのね……あの人は一体?黒紅組にはいなかったけど組の人?」

「ああ、黒紅組ではございませんよ。彼は月白悠様、月白組の組長で真宵お嬢の婚約者ですよ」

「……え!?月白組の!?しかもお嬢の婚約者!!?」

「……君は……」

 のそりと月白が立ち上がり彩華の前に立つ。

「あ、えっと一応黒紅組に入った皇……」

 自己紹介をしてる途中、だと言うのに体が引き寄せられ、

 月白に抱きしめられた。

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