第8話
私立ノワール武術専門高等高校、ここには世界的に活躍する武術家の卵たちが全国から集められている。
定期的に模擬戦や大学との交流もある有名校だ。幼稚園から大学部までのエスカレーター式となっている。
「…今日からこの学校に通うのか…。武術の専門学校なのに制服はやけにおしゃれだな校長の趣味なのかな」
女子の制服は薄いピンクのフリル付きのブラウスに大きなヒスイ色のリボン。スカートは丈が太ももの半分以下でピンクのチェック柄。
男子は薄い青のシャツにヒスイ色のネクタイと青のチェック柄のズボンだ。
「(これからはなるべく喧嘩とかないようにしないとまたクラスで浮いちゃうかも、気を付けないと)」
目指すは普通の高校生活!と意気込んで彩華は正門をくぐった。
___
「えーとこれからこのクラスに入る皇彩華サンです。皆さん仲良くしてくださいね」
「皇彩華です。よろしくお願いします。」
(初めのあいさつは完璧!これで平穏な高校生活が……)
深く下げた頭を戻してみれば視界に入ったのは今朝がたみた可愛らしいツインテールと赤い瞳、黒紅が窓際の席から手を振っている。視線を泳がせれば真宵の横にいたウルフカットの少女と長い髪を後ろで結んだ男子がいた。
彩華は内心焦っていた、なぜこの三名が同じクラスなのかなぜ手を振っているのかわからなかったからだ。
ホールルームが終わり彩華の周りにはクラスの人間や他クラスの人が集まり質問攻めにあっていた。
「武術なにやってるの?」
「前の高校では何やってたの?」
「なんでこの高校入ったの?」
「あ、あのえっと……」
突然の質問攻めに戸惑ってしまう、今までは目つきの悪さと口の堅さから周りに人が寄ってこなかったから好機の目に気持ちが置いてけぼりになってしまう。
「こらこらみんなそんな風に攻め立てたらかわいそうでしょ」
凛とした黒紅の声が教室を通る。
「キャー!真宵ちゃん優しいー!」
「そうだよな!いきなりじゃ困るもんな!」
「真宵ちゃん可愛くて優しくて強くて最高!!」
周りにいたクラスメイト達は自然とはけていき、彩華の席の前まで二人を連れて黒紅が出てきた。
「転校おめでとう彩華ちゃん!今から学校案内してあげる、早く来て!」
「え、ちょっと授業は!?」
「そんなのどうにでもなるから!こっちこっち!」
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