第20話 悪魔に魅入られた人達⓷
悪魔に魅入られているかいないかは、善人か悪人かはさておき、一つの特徴がある、と、只野さんは言う。
「快楽主義かどうかね。お酒にタバコ、ギャンブル、不貞を働くありとあらゆる点で、その人の事が総合的にわかるのだけど、特徴的なのは、頭が良い、てところね。頭が良い上で、悪知恵が働く人ね」
「善悪知る木の実を食べた結果ですからね。善悪知って、その上で、知恵がついていくから、、、松井は悪知恵が働くのですね。だって混み合っていた車内で、メスを使っても、一般的には『医療行為』と見えますからね。白衣を着ていたし、、、本当に悪賢い、。、」
「その松井さんと言う人がW大学の医学部であっても、お医者さんになっても、本当の意味で成功しないでしょう」
「それにしても日野さんは、武道を知っていたなんて、、.」
「日野さんのお兄さんは合気道の開祖、植芝盛平の息子の吉祥丸先生のお弟子さんですからね。多分お兄さんから教わっていたのでしょう」
日野さんはの事は私はまだ何も知らなかった。
昭和32年の春。私はまだ若い。この先の未来に対し、なんら不安がなかった。例え、森家に襲い掛かる魔の手が忍び寄っていたとしても、未然に防ぐ事が出来たことで、安心しきっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます