第14話 神は沈黙しないと言った青年⓺

只野さんと私で主の祈りを捧げた後、道端で路傍伝道している、クリスチャンに会った。只野さんと私は、その人の話を聞いていた。

その人は言う。

「今年から、来年、再来年にかけ、主の御怒りで、雪が多く降る。物価はうなぎのぼりにあがり、生活は苦しくなる。数多の人が、『神は死んだ、若しくはいない』と言うであろう。神は沈黙しない! 私が霊視した結果、神がいる事ははっきりしている。この昭和の時代に人々は困惑する。しかし、当面、関東一帯に地震や津波は来ない。ただし、昭和が終わり、次の時代に大きな天災が訪れる。私が霊視した結果、西暦で言うと2011年3月11日に巨大地震が起きる」

只野さんと私はその場にいた数名と話を聞いていた。

「悔い改めよ!」

その人は絶叫していた。

私は只野さんに、

「あの人の言っている事は正しいのですか?」

と訊いた。

「バプテスト派のクリスチャンではなさそうですね。御言葉が一つも言い表れていません」

野次馬が集まり、群衆が押し寄せると、その人はどこかに消えた。

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