第7話 ゆらぎの中に生きる少女⓺
ーあ、そうだ、500円札ある、、、ー
しかし、阿佐ヶ谷駅周辺は面白そうだ。ここにはここの商店街は活気に満ちていた。
ー500円札もあろば、タバコ買えて、ビールも買える。でも、、、ー
さすがに1人では寂しい。しかし、私はとりあえず、タバコを買った。
当時は両切りのタバコ、『朝日』が安かった。私は財布をだし、タバコ屋に行く。タバコ屋は開いている。私は財布から40銭ぐらい出して、タバコを買った。私は、慌てて火をつける。マッチ箱から、マッチ棒を取り出して、震える手でマッチを箱の横のザラメに擦る。ぼぅ、とマッチに火が灯り、火をタバコにつける。煙と共に私はタバコを吹かした。
吹かし方は知っていた。私は肺まで入れず、口の中で溜めて、ふぅ、と吹き出す。父がそうしていたのを、私は横で見ていたからだ。
ーこれがタバコか、、、ー
1人で吸っていた私は1人で悦になっていた。
昭和31年、夏の頃の事である。
「あれ! かつ子さん?」
不意に呼ばれて、私はびっくりした。
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