第6話 ゆらぎの中に生きる少女⓹

「周は太陽族でねぇ」

夕方、義叔母さんが私に話しかけた。

太陽族、つまり、カミナリ族だ。当時、金銭面にゆとりのある世代が、親に脛をかじり、バイク、アルコール、タバコなどをやる、昭和中頃の不良、平成のヤンキー、令和の半グレだ。この時は愚連隊と言う。

「はぁ、、、」

私は黙って聞いていた。

「かつ子さんはやっちゃダメよ? そんなことで、佐藤家の方の、若い娘さんを傷ものにしたら、潔さんになんて言えば良いか、、、」

叔父さんは今日は、飲み会だと、義叔母さんは言う。学生さんと飲むそうである。

ー大丈夫ですよ、義叔母さん、、、ー

私はその時はそう感じた。

 もはや戦後ではないとゆう時代であった。皆んな、夏なら、薄手のシャツに、女性は短髪の、香水をつけ、お金を持っている子女は、私と同じ格好をしていた。

 私は間違った感覚をしていた。私は甘やかされた。

「佐藤のほうは、私だけ巻き髪ですから、、、」

私は嘘を吐いた。嘘だ。カールをしなければ、横の髪はこんなに上に巻き上がらない。

「義叔母さん、ちょっと、周りを見てきてもよろしいですか?」

 私はこの言葉で、また、義叔母さんを騙そうとした。いや、辺りの風景を見たかったのではあるが、、、

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