第4話 ゆらぎの中に生きる少女⓷
新宿、中野の駅を通り越して、阿佐ヶ谷に着いた。そこから、歩くほど10分の距離に叔父の家があった。駅からの一等地とゆうのは分かる。しかし、道幅が狭い。家の造りはそんなに大きくない。
かつ子の家より大きいが、東京建物の大きさならではか?
「かつ子、上がりなさい」
「はい」
私は上がり、玄関先で、ぶつかって来た男性がいた。ぶつかって、
「なんだ? お前は?」
と、男性は言った。
「あ、、、申し訳ありません。私は佐藤かつ子と言います」
叔父が後ろから、大声で叱った。
「周! 口を慎め!」
どうも、周、と言う、叔父の息子らしかった。
「、、、ああ北海道、、の親戚、、の、、、?」
「かつ子、こいつは次男の周だ」
周、と紹介されたこの男性は、やれやれ、と言う顔をする。
「よろしく」
そう言って、この男性は家から飛び出した。今時の長い髪をして、長袖のシャツを着て、ボトムジーンズを穿き、靴は、かなり高そうだ。多分学生だ。
雨降りの夕方のこの時間、出かけるのは、遊びに行くのかもしれない。
周が行った後ら叔父が言う。
「チャラチャラしていていかん」
ー森家はいろいろあるー
私はそう感じた。
こちらがどうなっているかを私は知らなかった。
「周はまだ、高校生だ。三年生。しかし、変な思想にはまっているの」
ー変な思想?ー
この変な思想とは、当時のニューエージ思想だった。私は当時、それを知らなかった。
雨は止んでいた。表でバイクの音がする。周が乗って行った、そう私は思った。
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