第50歩 ダンボールの壁

 私は二十歳の時、地元のスーパーで働いていた。


昼休みの時間になり休憩室に向かった。


休憩室のドアを開けると、ぎっしりダンボール箱が積まれていて

中に入れない。


『あれ、おかしいな』


いつから物置になったのか、あちこち見たが他に休憩室はない。

休憩室に戻って、もう一度ドアを開けると普通に、いつもの休憩室だった。


「今、ここにダンボール積んでたかな?」

休んでる人達に聞いてみたがダンボールなんて無いという。


首をかしげていると

「お前ドア開けて、すぐ閉めて居なくなったの、こっちから見てたぞ、おかしいぞ、お前」


私がおかしい事になった。


休憩室の何処にも確かにダンボールは無かった。

その場にいたパートのおばちゃんに

 

「狐にばかされたんだべさ、あっはははは」と大笑いされてしまった。

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