第40歩 夢と現実

 前述のドライバーMさんは眠っていて、よく金縛りになった。

朝になると金縛りは覚えていたが状況などの記憶が無かった。


 その後、日々、頭痛がするようになり病院で検査する事になった。


検査の結果は一週間後、聞く予定になった。


 検査結果を聞く前、Mさんは家でTVのUFO特番を見ていた。


色々なルポ映像が流れ、やがて外人さんが円盤だか宇宙人だかに

アブダクションされたという証言映像が流れだした。

 

 その時MさんはTVを見ながら断片的にだったが、ある夢を見た事を思い出した。

 

 夢の内容はMさんが冷たい金属製の台の上に寝ていて体の自由が効かない。


上から何か光が眩しい、そして場面が飛んで雑草が生い茂る原野に円盤型UFOが着陸しており、


そこからMさんが見知らぬ男の子を両手で抱え必死に走って逃げて

追ってきた気味の悪い茶色い人達と闘うが結局捕まってUFO内に戻される、という夢の記憶だ。


 さてTVの続きを見ているとアブダクションされたと主張する外人さんの頭部レントゲン写真が画面に映し出された。


写真は頭部が撮影されていて後頭部に【白い点】があり宇宙人に何かを埋め込まれたと言っている。


その異物は手術で取り出すには非常に困難な箇所だと放送で流れていた。


 数日後、Mさんは病院に行き自分の検査結果の説明を受けた。

結果は『異常なし』だった。


 その時、自分の頭部レントゲン写真を見せてもらった。

すると先日TVで見たのと同じところに【白い点】が写っている。


「先生、これ間違いなく俺の写真ですか」聞くと先生は


「そうです」と答えた。


「先生この白い点に見える、これ何ですか」と聞いてみたがハッキリしない。


「頭痛の原因はコレじゃないか」しつこく聞いてみたが、もっと詳しく調べないと解らないが病気では無いという。


 Mさんは先生にUFOの話は、しなかった。


頭痛薬を処方してもらい、それで様子を見ましょうという事で終わった。


 それきり病院で検査はしていないが

「多分あのTVの人みたいに俺の頭に何か埋まってるんですよ」


そう言ってMさんは後頭部をさすった。

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