第43話 りんご畑
***
「うんうん、昴ね。いい名前つけてもらったね、死神」
そう言って、神様たちを統べる神の中の神は、天国のりんご畑でのんびりと日光浴をしていた。
去年、とんでもないミスが起きて、そして派遣した死神が、死に損なった人間と一緒に一週間近く一緒にいたことがあった。
「ちょうど、今時期だったもんね」
それを思い出して、神様はその時の報告書を読み返していた。金色の髪の毛が太陽にまぶしく輝く、とんでもない美青年は、報告書を穏やかな表情で見つめる。
そのあまりにも深い瞳には、全てが映し出されているかのようだった。
「昴ね、昴。いいじゃない、かっこいいじゃんね」
ふふふとその青年もとい、神様は笑う。りんご畑に実る色とりどり、形もそれぞれのりんごに目を向けて、その一つを撫でた。
明るい陽の光が差し込むそこで、一日をゆっくりと過ごす。それは、神様の仕事でもある。神様は、ふうと息を吐いた。
「…さて、死神の昴くんは…昇進かな?」
穏やかで、しかしいたずらっぽい瞳で、神様がそう呟いた。
***
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