第9話 世界


      ベランダのガーベラが咲いた


      まるで元気がないようだ


      僕が水をあげすぎたからだ


      愛の半分も注いでないのに


      淋しいなんて花弁を揺らして


      僕の心は一向に動かない


      揺れたカーテンに隠れるように


      いじらしいガーベラは咲く


      意気地ない実を持った僕は


      道端の知らぬ花にすら同情する


      情けないヒッピーな心を


      持ちぶさたにユラユラと


      うすはげた靴底が街を行く

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