第2話

どうやら私の住むこの世界・国は、モア・アースに存在する大国・リュア国と云うらしい。

すくすくと成長し、社交パーティーに参加した私が分かった事。

私は悪役令嬢…らしい。いやまじでいつなったの??

ただ嫌な事は嫌と言い、嫌いな人には徹底的に関わらないようにしただけなのに…。

はぁ、と溜息を吐く。

「アリナ王女……私、気に障る事でもしましたでしょうか……?」

おどおどと私に聞くのは、ヤー公爵の愛娘・シュンペ公爵令嬢。

私は、彼女のそんな態度が気に入らなかった。

「…」

「ア…アリナ王女…?」

「……あら、小さくて見えませんでしたわ。何か私に用でも?」

「え、えっと…」

今にも泣き出しそうなシュンペ。

キッ、と私を睨むのは元婚約者・レオン男爵。

嗚呼、彼は私の財産目当てでしたの。で、その事が分かった瞬間婚約破棄致しましたわ。

だからなのでしょうね、それから事あるごとに忌々しい目で私を睨むレオン男爵。

「シュンペを悲しませて、何が楽しいんだ!」

「え?レオン男爵様はお気付きになられてないのかしら…シュンペ伯爵令嬢、彼女は国王陛下…まぁ、父上ですわね。父上から彼女にリュア国追法令が出されているのですよ?男爵様は御存知無かったのかしら…?それは申し訳無い事を!無礼お許し下さいませ!」

クスクスと笑えば、シュンペはカァッ、と顔を真っ赤に染めた。

レオンを始めとした他の貴族達も驚いていた様子。

嗚呼!愉快愉快!!

扇で口元を隠して笑えば、シュンペは何処かへと走り去った…のを追い掛けるレオン男爵。

「さぁて、私もそろそろ部屋に行きましょうかしら」

カツン…カツン……ヒールを鳴らして、部屋へと足を進めた。


 「ふぅ…人が多いと酔っちゃう…」

ふと、私は思いついた。

「孤児院の子供達を育てれば、何かあった時味方になってくれる筈…!」

よし、早速始めよう。

「そうとなれば…先ずは孤児院に行く事を伝えなければ…じいや!」

「はい、アリナお嬢様」

どこからいつも現れるのか不明なじいやを呼び、計画を伝える。

「畏まりました」

じいやは颯爽と消えた。

「ふふ、明日が楽しみね…」

ポツリと呟いた言葉は、夜の闇に消えていった。

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