悪役令嬢に成りましたので悪役らしく過ごします

中太賢歩

第1話

 「こんの役立たずめ!お前にいくら金掛けたと思ってんだ!!」

「ごめんなさい…ごめんなさい……!!」

毎日毎日殴られ蹴られは当たり前、ご飯抜きも毎日の様にあるわけだから、もう空腹すら感じなくなった。

ただ、その日は父親の虫の居所が悪かった。競馬に負け、アパートの大家に家賃滞納分の金を迫られ…取り敢えず、いつも以上に父親は不機嫌だった。

母親はホストに大量の金を貢いだ後、蒸発した。

「お前なんか、死んじまえ!」

直後、お腹にとてつもない痛みが襲う。

「…ッ!」

「ふん」

父親が玄関から出る。と、同時に警察が父親を取り押さえる。

「虐待防止法違反で、逮捕する!」

婦警の人が、私に気付いたようで慌てながら走り寄って来た。

「大丈夫?!こちら、✕○アパート。保護対象が包丁で刺されてます!至急、救急車お願いします!」

「……ぁ、…?」

薄れゆく意識。

最後に見たのは、手錠を掛けられた父親が警察と共に出ていく所だった


 「おめでとうございます!立派な女の子です!」

「貴方…この子の名前、どうします…?」

「アリナ…アリナ・モーラスだ」

「素敵…よろしくね、アリナ」

「ばぶ?!」

私、転生しました。

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