第一章 旅立ち

第一話 いつもの日常 

「何だこれ」

ある日俺はとある一冊の本を見つけてしまった。

それが世界を巻き込む大事件に繋がるとも知らずに。


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俺の名前はシーマ。うお座AB型の13才。

家は白の国ホワイトランドの5番街で、

家族は両親だけの三人家族。

そしてこれが最も重要な事だけど、実はついさっき鳥にフンを落とされている。


「お気に入りの服だったのに…」


「さすがシーマだな。こんな朝からそこまで落ち込めるなんてなかなかできることじゃないぞ。」


必死に川で服を洗っていると、めんどくさい奴に見つかってしまった。

コイツは小さいときからの友達のカイン。いわゆる幼馴染というものだ。

今でも親友だが、俺が何かやらかす度にからかってくる厄介な奴でもある。


「うるさいな。俺だって好きで落ち込んでる訳じゃないよ。」


「そうか。でも様子を見る限りてそうじゃないか。何かラッキーな事でもあったのか?」


カインは笑いながら聞いてきた。どうやら最初から見られていたようだ。

今日は本当についていないなとさらに落ち込みかけたとき、


「からかうのもそこまでにしなよ。その服、シーマが結構気に入ってたやつなんだから。」


と天使のような声が聞こえた。

彼女はカインと同じく幼馴染のレイナ。左右で色が違うオッドアイの持ち主で、それが原因で小さい頃にいじめられていた。





「ちかくにくるなー うちゅうじんめー」

「そうだそうだー どっかいけー」


と言われ、公園でいじめられていたときに


「こんなにきれいなめをしたこがうちゅうじんなわけないでしょ」

「…っ!」

「このこはおれとあそぶから、きみたちがどっかいけよ」


と言って助けたところ、泣きながら抱きつかれてしまい、この一件以降懐かれたまま今日に至る。





「シーマはいいなー。こんなに美人な彼女に守ってもらえて。」


「彼女じゃない」「彼氏じゃない」


同時に否定すると、カインの口の端が上がっていた。まんまとからかわれてしまった。

なぜかレイナは赤くなっていたけど。


「とっ…とにかく!早く行かないと遅刻するよっ!」


レイナが叫んだ。そう僕らは総合学院アカデミーに向かっている途中なのだ。

総合学院アカデミーとは勉学と運動をバランスよく学ぶことを目的とした施設で、一部の才能のある子達は魔法も学ぶことができる。

もちろん三人とも魔法を使える素質を持っていないため、魔法以外の授業を受けている。


「遅い!27秒の遅刻ですよ。次10秒以上遅刻したら反省文ですからね!」


この細かい事を言ってくるのは総合学院アカデミーの先生であるモズ先生。特に遅刻に厳しく、1秒単位で測ってくる。


「「「すみませんでしたっ!」」」


この先生は下手に反抗すると説教の時間が伸びるので、最初から謝るのが正解だ。


こんな感じがいつもの日常だ。いや、今日までは日常


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放課後、三人で帰っているときに俺は教室に明日までの宿題に必要なノートを忘れたことに気づいた。


「ごめん二人とも。俺教室に忘れ物したこと思い出したからとってくるわ。二人で先に帰っといて。」


「全くシーマは一日に何回ドジなこと起こすんだよ。」


「朝の事は俺のせいで起きた訳じゃないから仕方ないでしょ。」


「いや俺だったら避けれてた。て言うかそもそも鳥にフンを落とされるなんて鳥に見下されてるやつだけだろ。俺はそもそも落とされねぇよ。」


「そんなこと言うんだったら俺だってカインの黒歴史をここで叫んで「はいはいそこまで」


俺とカインの喧嘩が始まりそうになったが、

レイナに止められた。


「じゃあ私はカインと二人でここで待ってるから、なるべく早く戻ってきてね。」


「先に帰ってくれていいのに。」


「おいおい何で俺まで待つことになってるんだよ。」


「友達なんだから当たり前でしょ。そうだよね。カイン。」


レイナはカインに無言の圧力をかけた。


「…チッ…分かったよ待てばいいんだろ待てば。」


「ありがとう。じゃすぐに取ってくるわ。」


総合学院アカデミーまで走り、忘れ物を取って帰ろうとしたとき、グラウンドの端に周りと色が少し違うところがあるのに気付いた。

普段なら特に気にしないのだが、なぜか今日は気になった。

特になにも考えずに掘ってみたところ、何やら怪しげな古い本が出てきた。


「何だこれ」

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