第6話トゥールーズ前公爵side
≪≫死者の声
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≪やっぱり、私、あの時死んで正解だったわ。死んでなかったら今頃、あの男に監禁されてた!間違いない!!≫
それもどうなんだ?
妹よ、お前が死んでなかったら、ギヨームと結婚して王妃になってた。
王妃を監禁なんてことは……ない。ないと思いたい。思いたいが……。
「ローゼリア、流石に言い過ぎだ」
≪え~~~っ!?お兄様だって思ってるくせに!≫
「思ってない」
≪またまた!じゃあ、どうして私の死因を感染症にしたの?
「…………」
≪図星でしょう、お兄様。遺体だって土葬したらヤバイって思ったんだよね?あいつの事だから後で墓を掘り返すに違いないって!!≫
その危険性については考えていた。
ギヨームはローゼリアを溺愛していた。十分、可能性のある話しだった。ギヨームなら墓荒らしをしてでもローゼリアの遺体をもって帰ろうとするかもしれないと……。ギヨームを刺激したくなかったのも確かにある。あるが……。
「そもそもお前があんな
≪は?!!なにそれ?!!アリエナイ!そこツッコム?!!≫
「菓子を喉に詰まらせた
私が全力を持って妹の真の死因を隠したのは当然の処置だ!
こんなアホな死因が表に出れば間違いなく嘲笑の的だ。
アホな妹は死んでいるから良いとして、残された我々はどうなる?!ローゼリアの親、兄、親族、甥や姪であるというだけで馬鹿にされるのだ!そんな未来を回避するために全力で隠したのだ!!保身に走った?当たり前だろう!!末代までの恥だ!!!
≪ひどっ!!それが可愛い妹にいうセリフ?!!≫
「可愛い妹だからこそ名誉を守ってやったんだ!有難く思え!まったく。だというのにお前は成仏もしないで悪霊として家に居つくとはな……」
≪誰が悪霊よ!私は
守護霊ってお前……。幾ら何でもそれは図々しいぞ?
目の前で文句を言う幽霊の妹に呆れた。
せめて地縛霊にしておけ。
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