第7話ローゼリアside
まったく失礼しちゃう!
どこからどう見ても『トゥールーズ公爵家の守護霊』、もしくは『トゥールーズ公爵家を守る天使』って感じでしょ!お兄様ったら!だからモテないんだわ。顔は良いのに、あの性格だもの。実に勿体無いわ、本当。
あっ!今の発言、ダメね。
お義姉様が変な人になっちゃう!
お兄様
堅物のお兄様をずっと慕い続けてくれた女神のような女性。
私がお義姉様ならとっくの昔に婚約破棄しているわ。
はぁ……。
私の元婚約者はアレだっていうのに。
お兄様だって本当は気付いているはず。でもそれを認めたくないんだろうな。あんなんでも親友だもん。私とギヨーム婚約を一番喜んでたのはお兄様だった。妹と親友の結婚。バリバリの政略結婚だけど、私を幸せにしてくれると信じてたもん。
この数十年ブーブー言いながらも相手をしてくれるお兄様って結構お人好しだわ。
私を視えるのは何故かお兄様だけだから仕方ないけど。
最初は二人で困惑してた。
私は「なんでお兄様だけ視えるの?」って思ったし、お兄様だって「何故、私だけ……」って思ってた。互いに口に出してたから間違いない。
お兄様なんて「人前で話しかけるな」ですって!酷いわよね。私が非難の声をあげたら「何もない空間で私が喋っているところを見られてみろ。私の頭がおかしくなったと皆が思うだろう」って。まぁ……そう言われてみれば納得せざるを得なかった。だって他の人には視えないもんね。神殿の関係者も視えないって知った時は二人して虚無ったわ。お兄様なんて一時期神殿への寄付金を大幅に減らしてた。
神殿も役に立たないとなると「これからどうしようか……」とお兄様が頭を抱える姿には流石に可哀想になったけどね。でもさぁ、私だって好きで幽霊になってる訳じゃないのよね。
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