僕の声聞こえる?(御崎 悠サイド)
この海西中学にも慣れてきた
前の中学とは授業の進行具合とか
順番とか違っていたけど
『ねぇ、僕の声聞こえる?』
僕は色々な人に向かって心の中でそう呟いてみた
僕は色々な人に向かって心の中でそう呟いてみた
勘のいい人はこれで気付いてくれる
僕は自分のことを分かってくれる人を探していた
僕の親友ナオは
いつもこれで気付いてくれる
ナオ以上とは言わないけど
このクラスにそんな人がいたらいいなって
期待もせずに
僕は試していた
僕と心の通じる人
僕の気持ちがわかる人
高村学園には一人もいなかった
みんな現実の成績を上げることに
夢中だった
「誰か俺呼んだ?」
僕の心の声に
一人が反応した…
後ろの席の南和也だ
「え?…あの…御崎が呼んだのか?」
「そうそう、心の中で、気がついたんでしょ?」
相手はかなり動揺してるが僕は構わず続ける
「君を友だちに決めたから、よろしく、僕のことは悠でいいよ」
「な、なんで?」
「このクラスで一番勘が良さそうだし…君のことはなんて呼べばいい?」
「和也でも、南でもなんでも…」
「じゃあ、カズって呼ぶから、よろしく」
「…よ、よろしく…」
僕はこの日からカズといろいろ話すことにした
相手の反応も気に入ったから
動揺しながらも
僕を受け入れてくれた
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