転校の理由(御崎悠サイド)
僕は最初から私立になんて行きたくなかった
小学校の時、親に散々そう言った
でも、祖父も父も行っていた、その学校に行けと
ただ言われ、仕方なく受験した
合格した僕に両親は喜んだが
僕は最悪だった
入学し学校生活に慣れて来ても
表面だけの友達付き合い
硝子の向こう側に居るような
疎外感…
来たくなかったからそう感じるのか
それとも
ここはそういう人の集まりなのか
僕は自分の心を閉じて過ごした
夏休みになって
僕はほっとしたと同時に
もう嫌だと思った
行くはずだった公立の中学に転校したいと
しかし言い出せなかった
合格して行きたくないと言ったとき
殴られたのだ
今更と言われるのがオチだろう…
しかし
そのチャンスが巡ってきた
僕の英語を教えていた
先生の生徒が
家に火をつけて
自殺したのだ…
ニュースは親の知るところになり
その生徒はその先生の虐めで
追い詰められたらしい…
実は僕も
その先生の被害者だった…
僕の英語のテストの点数が悪いのは
こんなものを書いているからだと
僕の大事なイラストと詩のノートを
勝手に取り上げて焼いてしまったのだ
友達に見せてと言われて貸したのだが
先生に取り上げられたらしい
僕は先生に呼び出され
あんなもの書いているから
馬鹿なんだよ…
焼却炉で燃やしたから
酷過ぎだと思った
悔しすぎて涙も出なかった
何も言い返せなかった
死にたいとも思った
自殺した生徒も
同じようなことをされたらしい
僕は親に言った
先生にされたことを
そして
親は転校を許してくれた
同じようになっては困ると思ったからだろう
転校初日
予想通りの反応
ドラマみたいな転校生への質問
退屈だが僕はやっとここに来れた
坂井直人…ナオは小学校5年からの友達だ
ナオ、ユウと呼び合い
親友と呼べる相手だ
そいつとまた同じ学校に行けるというだけで嬉しかった
やっぱりメールやツイッターで話すだけじゃ
つまらないから
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