第7話ロシア冬の陣
クリスマスも近いこの頃。
ついに開戦した。ロシア、日本、白いカラスの戦争が。
2070年 12月 モスクワ付近 帝国軍
ロシアとの最終決戦。本当なら難なく終わる予定だった。しかしだ。あの忌々しい、白いカラスが我々の邪魔をしてくる。
「司令官!白いカラスとの交戦をどう見ておられますか?」
私の分隊員が言った。
「ああ、私はまずいと思っている。この戦争一筋縄ではいかない....」
「.....」
帝国軍の上は、こちらの状況を理解しておられない!上は、今でも白いカラスの存在を否定しているからな.....
「私たちは、やれるだけのことをしましょう」
分隊員が言った。ああ、そうだな。変なことを考えずに明日の、朝日を見れるように努力しよう。竹岡 信也 の名のもとに誓うと思った。
「ああ、そうだな」
2070年 12月 モスクワ付近 白いカラス
「帝国軍の動きは?」
「はい、情報通りまだ動きはないようです」
やはり、リタ、メアリの情報は、あっていたな。
「わかった、こちらの準備はどうだ?」
「順調です。予定通りです」
準備は、帝国軍が動く数分前と予定されているので、この報告は問題がないということか。今回の作戦では、帝国軍は勿論。ロシア軍も叩くことになった。ロシア軍の戦車や歩兵を一気に吹き飛ばすため、ミサイルなどが準備されている。私たちに喧嘩をしてこと、後悔して眠ってろ!そう思いオリビアも準備に取り掛かった。
「帝国軍が動きを見せた!」
「わかった。発射用意!!撃て!!!」
無数のミサイルがモスクワの街へと進んでいった。
「我々歩兵も今のうちに動くぞ!」
白いカラスは行動を開始した。
信也は、訳も分からなかった。ただのテロ組織があんなに強いはずがないと.....
「進めー!敵は目の前だ!」
進むしかなかった。これは命令だから。怖い、行きたくない、帰りたい。そんな気持ちでいっぱいだった。
「ロシア軍だ!射撃準備!」
ドンッと銃声が響く。少ないロシア軍を潰すのは容易だが。やはり、白いカラスが、気がかりだ。大きな音が鼓膜を振動し、破れた。ミサイルだ。
「だ、誰だ.....」
あ.....白いカラスか、あいつらは、強い。
「総員!戦闘態勢!!!」
やつらが来る。スコープを覗き、引き金に指をかけて待った。 来た。
「撃てェェェ!」
しかし、数人しか殺せなかったようだ。
「場所を変えろ。また来るぞ!」
けん制しながら、帝国軍兵士それぞれが、建物に身を隠し、引き金を引く。だが、実践不足ということだろうか?全く歯が立たない。相手の方が、圧倒的に実践経験を積んでいる。こいつらは、何者だ?でも、殺す。絶対殺してやる。お前らのせいで!本当は勝てる戦争なのに!お前らのせいで!怒りに満ちた信也は武器を取り、引き金を引いた。
「う...ああ」
後ろから、ナイフで刺されていた。後ろにもいたのか....
「お....お前.....は、だ、だれ....だ?」
「お前にこたえるほどのものでもない」
一気にナイフを抜かれて。俺はそこで、息を引き取った。
ロシアにはもう敵はいなさそうだ。オリビアはそう思った。
「麻衣!もういいよ!!」
「うん、わかった」
麻衣が、答えて言葉を続ける。
「ここを!白いカラスの領地とする!!!」
帝国に、そして、世界に、表明した。
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