青少女保護観察官に任命された僕と、保護された彼女~幸せを知らない彼女との日々はドキドキすることばかりで、僕はそんな彼女に振り回されっぱなしです~
第54話 部屋を破壊し、裸で性欲にまみれた彼女が、僕を誘う
第54話 部屋を破壊し、裸で性欲にまみれた彼女が、僕を誘う
青い髪のボブカットは綺麗に整っているし、腕や足、見えるところに傷があるようには見えない。ノノンの最初期のように臭いが酷い訳じゃないし、喋りがたどたどしい所も見られない。ちょっと痩せ型かな? でも病的ではない。一見すると普通の女子高生にしか見えないんだが。
「氷芽依兎さんね、私が担当観察官になった
思わず沈黙してしまいそうな所を、舞さんが先んじて手を差し伸べる。
だが、彼女はその手を握らなかった。
青い瞳で
「なにその腕輪」
「え? ああ、僕達の腕輪が気になるんだ?」
「キモ」
切れ目の長くて青い瞳を歪ませて、軽蔑の眼差しで僕を見る。
……なんか、一番最初の頃のノノンにも同じことを言われた記憶があるな。
しかもノノンの場合はビンタもセットだったっけ。
もしかしたらあの時のノノンって、ルルカだったのかもしれないな。
なんて思いながら、隣に座る赤毛の可愛いのを見やる。
みんな立ってるのに一人椅子に座って、太ももの間に手を挟んで身体をユラユラさせてる。
「とりあえず、部屋の案内をさせて貰えるかな?」
「……わかった、そしたら寝ててもいい? 移動で疲れて眠くてさ」
「あ、うん、大丈夫よ」
ろくすっぽ挨拶出来なかったんだけど、別にいいのかな。
氷芽さんを部屋へと送り届けた後、舞さんはリビングへと戻り、彼女が本当に眠ってしまったと言っていた。コミュニケーションを取るつもりがないのか、本当に疲れているのか判断が付かない以上、無理に起こすのも可哀想かと寝かせる事に。
お昼になっても彼女は起きず、そのまま夕食の時間になってようやく起床。
この家に来た時には、白色のキャミソールが透けて見える水色の薄い長そでに、カーキ色の短パン姿だったのに。氷芽さん、寝て起きてきたら、下は白のショーツに上はキャミソールだけの服装でリビングへとやってきた。
しかも寝ぐせで髪の毛が逆立ってるのに、それらを気にした様子が一切みられない。
寝ぼけ眼でお腹をぽりぽり掻きながら、何も言わずにキッチンのテーブルへと着席した。
そんな彼女に舞さんが近寄り、笑みと共に話しかける。
「おはよう、ゆっくり寝れた?」
「……ん、そだね」
「ご飯の準備は出来てるんだけど、まずは服装を正しに行きましょうか」
「……面倒だから、いいよ」
んー……いろいろと口出ししたくなってしまうが、とりあえず沈黙。
あくまで保護観察官は舞さんだから、僕が先導きって動く必要はあるまい。
と、思ってたんだけど。
困った顔をした舞さんが〝助けて〟って目をして僕を見ている。
ずずずっ……と白湯を一口飲んでから、心を落ち着かせてと。
「まぁ、男の僕の目もあるんだし、服装は正しておいた方がいいと思うよ」
「……ウゼ」
「そう言わずに、好きでもない男に肌を見られるのって嫌でしょ?」
そこまで言うと、氷芽さんは「ちっ」と舌打ちしながら、キャミソールを捲り上げた。
どうやらキャミソールの下は何も着ていなかったらしく、僕の視界に氷芽さんの乳房が飛び込んでくる。ノノンよりも色白、けれども若干日焼けした肌が夏の色香と共に彼女の戦闘力を底上げしていて、手のひらサイズのおっぱいの先には桜色のポッチがあり、それは寝起きだからか丸くシコりのある状態でぴんぴんしていた。
……が、見るべきはそこじゃない。
お腹に残る手術痕のような縫い目だ。
臓器売買だっけか、可憐な女性なだけに、痛々しく目に映る。
「氷芽さん! 人前で脱ぐとか非常識です!」
「女を鎖で繋いでる方が非常識だろ」
「ノノンちゃんと桂馬君はいいんです、法的に認められてますから!」
舞さんが叫ぶと、氷芽さんは彼女を睨みつけた。
そして乱暴に立ち上がるとショーツも脱ぎ捨て、僕の顔に投げつける。
まだ
「夕飯いらね、それ洗っとけよ」
「ちょっと氷芽さん!」
「寝る」
朝から夜まで寝てて、また寝るのか。
かなり強烈にドアの開け閉めをしながら、氷芽さんは自室へと向かう。
「……っとにもう」
「まぁ、一日目だから、いいんじゃないですか」
頭に乗った氷芽さんの下着を手に取って、クルっと丸める。
選定者が使用する下着って統一されてるのかな、ノノンのと同じだ。
やれやれと言った感じで溜息をつくと、つんつんって隣にいるノノンが僕を誘う。
見ると、ノノンもブラジャーのホックを外し、シャツを捲り上げておっぱいを晒していた。
「ノノンのも、みて!」
「……張り合わなくていいから」
「みて! ノノンのほうが大きい!」
うん、そうだね。
ノノンはFカップだから、知り合いの中では一番大きいと思うよ。
分かったから元に戻そうね、比べるもんじゃないと思うし。
もし大きさ比べなんかしたら、日和さんが号泣しちゃうよ。
「……ん? 舞さん?」
「流れ的に、私のも出さなきゃ、ダメ?」
「なに言ってるんですか……」
これで舞さんまでボケに回っちゃったら、この家でツッコミ僕だけになっちゃいますよ。
見たくないって言えば嘘になるけど、見ちゃダメとは思うし。
結局、氷芽さんは自室に引き籠ったまま、その日一日姿を現すことは無かった。
昔、渡部さんに言われた通りだ、一日目から焦る必要はない。
無理に距離感を縮めようとすると反発されるからね、ゆっくりで構わないだろう。
8/6 日曜日 04:00
旅行で感覚がズレたのか、急にトイレに行きたくなって目が覚める。
新しい腕輪はワンプッシュで外れるから、こういう時に便利だな。
隣で眠るノノンに「トイレ行って来るね」と声掛けをしてから、ベッドを出る。
可愛いことにどれだけ眠ってても、僕が起きるとノノンは起きるんだ。
目を閉じたままコクリ頷いたのを見届けて、一回だけ頭を撫でてベッドを離れる。
廊下に出て違和感、リビングの明かりが点いているのだが。
寝る前に消し忘れたって事はないから、誰かが起きてリビングにいるのだろう。
まぁ、誰だかは想像がつく。氷芽さんがお腹空かせて何か食べてるのかな。
トイレを済ませてから、その足でリビングへと向かう。
「え? なに、してるの?」
リビングは、僕の想像を遥かに超えた状況になっていた。
机がひっくり返り、キッチンにあった食器棚は限界まで壊そうとした後があり、大型テレビは椅子で破壊され、ソファも切り裂かれて中身が飛び出してる始末。窓辺に取り付けられていたカーテンも引き裂かれて、その他全部、破壊出来るものは破壊した感じだ。
そんな荒れたリビングで椅子を手にした氷芽さんが一人、不機嫌を露わにした顔を僕へと向ける。
「え、ちょっと待って、なにこれ、どういうこと?」
「お腹減ったの」
「お腹減ったって」
「アタシがお腹減ったのにご飯が用意されてなかったの」
「だから? だからここまで全部破壊したってこと?」
「そうだよ、用意してないお前たちがいけないんだからね?」
しかも氷芽さん、またしても裸だ。
全裸のまま家の中で暴れてたっていうのか。
いや、ここまで破壊されたのなら音で気付くはず。
静かに破壊したってこと? だとしたらそれは感情に任せた破壊じゃない。
作為的に行った破壊活動だ。
「ねぇ、アンタ、黒崎っていうんだろ?」
「そうだけど……なに」
「セックスしようよ、運動したらしたくなっちゃってさ」
氷芽さんは自身の股間に手を当てると、いやらしく表情を歪ませた。
手にした椅子を床に置くと、そこに座りM字型に足を開く。
どうやら、彼女の言葉に嘘はないらしい。
テラテラと輝く彼女の秘部が、自ら口を開いて僕を誘っていたのだから。
§
次話『女の子の身体は一番守らないといけないものだから』
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