第29話

「これは、なんだ」

「靴下」

「靴下はわかってる」

「じゃあ、なによ」

「なんで、靴下が食卓の上に置いてある

のかと聴いてるんだ」

「いいじゃない、くつしたぐらい、穴の穴の

ちっちゃなオトコ」

「白馬の王子ったってAIだぞ。あんなロボットと

イチャイチャしやがって」

「あらあ、焼いてくれてるの、それは

ご愁傷様」

「なんだ、それは、シャレか」

「なるほど、ご焼香と焼くか、一緒だな」

「今頃、気づいたのか、ちょっと苦しい

けどな」

「アタシがだれとイチャイチャしたって

もはやあなたには関係ないでしょう」

「そうはいかん。オレはオマエの亭主だからな」

「ともかくやめろ。あの白馬の王子さまは

どうもキナ臭い」

「なんだっていうのよ」

「マフィアの臭いがする」

「偉いもん出してきたな」

「大国国家間謀略のキーパーソンかもしれん」



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