第17話

「これはなんだ」

「梅干しという物よ」

「それは、わかってる。なんでオレが

大嫌いなものが食卓に上ってるのかって

ことだ」

「単なるイヤガラセよ」

「あのおおなああ、なんでオレがオマエに

イヤガラせをされなくちゃならないんだ」

「自分のおけつに手を当てて

よーく考えてごらんなさい」

「胸に、だろ、まちがい」

「いちいち、細かいことを指摘せんでもおよーい」

「なにがおよーいだ」

「自分の半導体に手を当ててよーく

考えてごらんなさーい」

「偉いもんに手を当てるんだな、ったく」

「あてた」

「ハイハイ、当てました」

「どこに半導体あった」

「あそこの中」

「あそこってどこ」

「イヤーん、バカ」

「アホか、おまえは」

「オマエがやらしとるんだろう」

忠が激怒した。

「ペーパーに誓ってなにもやってないって

誓える」

「ペーパー」

「あっ、神か」

「ややこしいなあ、おまえは」

「この人でなし」

「なんで、そうなるんだよ」

「浮気してるだろ」

「してないよ」

「キツツキ」

「ウソツキだろ」

「人でなし」

「またかよ」

「ワーん」

「泣き出した」

忠がミオの背中をさすって介抱した。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る