第16話

「海王星にいってくる」

ミオが忠にそう宣言した。

「ああ、そう、気をつけて

いってらっしゃい。かっ、海王星」

「うん。海王星には白馬に

乗った王子様がわたしを待っていてくれるような

気がするの」

「錯覚、錯覚、勘違い、勘違い」

「そんあ、何度も念押しすることないじゃない」

「海王星にはどうやって行くんだ」

「タクシーで」

「ほう、いくらかかると思ってるんだ」

「二万円くらい」

「アホ」

忠が落胆して、ため息を吐いた。

「二兆円はかかるぞ」

「空、飛べるかしら」

「まあ、無理だろうな」

「それじゃあ、銀河系を買い占めてくる」

「でかく出たな、なんのために」

「絶対権力者になりたいからよ、オホホ」

「オマエは男に生まれたほうがよかったな」



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