「まず」

「なに」

「アンタがもっと魅力的にならなければならん」

和江が断定するように言った。

「どうして」

「ご主人を自分の方に引き戻すのよ」

「愛犬のぺスの気を引くのね」

「違う、ちがう、ご主人のきを

引くようにするのよ」

「どうやって」

「自分磨き」

「タワシで自分をゴシゴシ磨くの」

「違う違う」

和江が首を振った。

「研磨粉で」

「いずれもちがーう」

「じゃあどうすれば」

「あんた、カルチャースクールに通いなさい」

「わたし、かたっ苦しいところは嫌だわ。キャバクラがいい」

「どうして、男が行くところに行きたがるのかね」

「まず、どうすれば」

「そうねえ、なんといってもその三段バラを

なおさないと」

「整形手術」

「飛躍しすぎ、飛躍しすぎ」

「じゃあ、どうすれば」

「チョコアップ。トレーニングよ」

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