第8話

「そこ、評判の店なの」

「うん、なんかホストたちが

ふつうじゃないんだって」

「どうふつうじゃないの」

「ぜんいん、つまりオネエだってこと」

「ひえーっ」

和江がずっこけた。

「オカマ十人衆ってのがいてね」

「根来十人衆みたい」

「オトコ客たちにも大人気だそうよ」

「へーっ、旦那さん、誰と浮気してるのかしら」

「うーん。なにかの間違いであってほしい」

「どうして」

「ただ、単に気色わるいから」

「あら、ミオそういうとこ寛大なんじゃ

なかったかしら」

「まあ、自分の旦那がかかわってくるとねえ」

「なるほど」

「旦那を拷問して問い詰めてみようかしら」

「よしなさいよ」

「本気だよ」

「本気なんかーい」

「アラブの王様に頼んでみる」

「なんて」

「手切れ金五十億ほど調達できないかどうか」

「できるか、そんなもん」

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