第7話

「ひょっとしたら、浮気してるんじゃないかしら」

「ご主人が」

「愛犬のぺスが」

「犬かーい」

和江がずっこけた。

「犬の浮気っていうのも

あまりきかないわよねえ」

「あたしも違うと思う」

「ミオも違うと思うとるんかい」

「うん」

「それは冗談として、やっぱり、

旦那、良からぬ気を起こしてるんじゃ

ないかと思うの」

「どうして、そう思うの」

「妙な秘密クラブに出入りしてる

形跡があるのよ」

「たしかなの」

「うん」

「そう」

「まあ、遊び半分で顔を出しただけかも

しれないし」

「そんなところに百万円もぶっこむ」

「百万円」

和江が驚いたように大声を上げた。



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