第6話

「台湾に行こうと思うの」

ミオが和江にそう言った。

「何しに」

「闇のシンジケートと対決しに」

「アホ」

和江が呆れかえってそう返した。

「あんたの怖いところは心のどこかで

本気なところだわよね」

「女を一杯、買いに」

「アホ、アンタが女買ってどうするのよ」

「ちかごろねぇ、旦那の様子がおかしいのよ」

「どんなふうに」

「トイレ行ったり、会社に行ったり」

「それ、ふつうでしょう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る