第4話

「ただいま」

「あっ、さよなら」

「おかえりだろう、ったく」

忠が食卓にドッカリと腰を

降ろした。

「椅子にすわるのだけは、うまいんだから」

「あーあ、椅子に座るのにうまいヘタがあるんですかねえ」

忠が応戦した。

「ちゅう―ハイ、買ってきたの」

「お金、落っことしちゃった」

「じーっ」

「なんだよ」

「あやしい、二百円猫ばばする気でしょう」

「人聞きの悪いことを言うな」

「じゃあ、交番に届けた」

「たかが二百円で」

「ねーこばば、ねーこばば」

「子供のけんかか」

「子供といえば」

ミオがお腹をさすった。

「まさか」

「あなた」

「でかした」

「便秘が治ったの」

「もう、おまえとは、金輪際なにも

話さんぞ」

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